欧米Z世代に広がる「ガラケー」ブームは来るか? デジタルデトックスを求めレトロ端末が注目
東洋経済オンライン / 2024年10月17日 8時30分
スマートフォン全盛時代に逆行するように、通話程度しかできない昔のガラケー風端末が海外で次々と登場している。最新のiPhoneを捨て、2つ折りスタイルのフィーチャーフォンを使うユーザーが増えているというのだ。この手の製品を使うユーザーと言えば年配者というイメージがあるだろう。だが、今のガラケーブームを牽引しているのは、アメリカやヨーロッパのZ世代だ。このブームは日本にも来るのだろうか?
【写真で見る】ガラケーの新モデルとして発売され、注目されたバービーフォン
レトロ=新鮮な世代
ピンクのボディーに「Barbie」のロゴをまとった「バービーフォン(Barbie Phone)」が秋に海外で発売された。世界中でヒットしたバービー人形をモチーフにしたケータイだ。バービー人形は今から半世紀以上前、1959年にアメリカで生まれた「着せ替え人形」で、世界中に愛好者がいる。日本では1967年にリカちゃん人形が登場し、着せ替え人形の代表の座をバービーから奪ったが、バービー人気は今でも健在だ。
バービーフォンは2024年2月にその存在だけが発表され、外観などは不明だった。ところが、この発表だけで熱狂的な支持を受けた。そして9月に実機が公開されるや否や、新型iPhoneそっちのけでこのシンプルなケータイに盛り上がる人たちがいた。注目したのは主にZ世代。バービー人形を古くから知る世代より、レトロなものに新鮮さを感じる若者たちだった。
バービーフォンを作ったのはHMDというメーカー。HMDは旧ノキア時代の端末事業を買収したマイクロソフトが市場撤退後、ノキアからライセンスを受けてノキアブランドのスマートフォンとフィーチャーフォンの製造・販売を行っている。バービーフォンは新規に開発された製品ではなく、HMDが2022年に発売した「Nokia 2660 Flip」をベースにしており、外観と一部仕様を変更したモデルだ。
バービーフォンは専用のパッケージにバービーデザインの電池カバー3種、クリスタル風のストラップやステッカーなどを同梱したスペシャルパッケージで販売されている。バービーファンではなくとも購入欲をそそられる。
ハイネケンの「たいくつケータイ」
欧米のガラケー人気はバービーフォンが登場する半年前に発表された、とある製品で火が付いた。ビールメーカーのハイネケンとファッションブランドBodegaがコラボした「The Boring Phone」である。日本語に訳すと「たいくつケータイ」となるこのガラケーも製造元はHMDで、バービーフォンと同じNokia 2660 Flipをベースにしている。ボディーは半透明でカラーディスプレイはあえてモノクロ表示と、レトロを極めている。
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