欧米Z世代に広がる「ガラケー」ブームは来るか? デジタルデトックスを求めレトロ端末が注目
東洋経済オンライン / 2024年10月17日 8時30分
The Boring Phoneには通話、ショートメッセージ、時計、カレンダーなど基本的なアプリがインストールされているが、SNSやブラウザを追加することはできない。ゲームは走る蛇が画面内のドットを食べるごとに伸びていくという、クラシカルな「スネーク」のみ。アプリストアが無いので最初から入っているアプリを使うことしかできない。カメラは30万画素で保存枚数は10枚のみ。Z世代にブームな「レトロデジカメ」と同様、古めかしい写真しか撮れないが、むしろそれも人気の一因だ。
これら2つのガラケーのベースとなったNokia 2660 Flipも、実は2007年にノキアが販売した「Nokia 2660」の復刻モデルだ。iPhone登場以前は世界中(ただし日本・韓国・アメリカを除く)で圧倒的なシェアを誇っていたノキア、そのノキアの過去のケータイの復刻版をHMDは毎年リリースしてきた。とはいえ、それは「過去の名機のリバイバル」に過ぎず、懐かしさを求めるユーザー向けの製品だった。そんな製品が、今ではZ世代に人気のモデルのベースになるとは、HMDも想像していなかっただろう。
デジタルデトックスに最適
The Boring Phoneには「スポーツ」と「タクシー」というアプリが入っている。前者を起動すると「試合はうまくいっているから友人との会話に戻ろう」と表示される。タクシーアプリは「誰かにタクシー会社へ電話して呼んでもらおう」と表示されるだけだ。ジョークアプリともいえるこれらの機能は、日々SNSの通知に追われる現代社会の中でデジタルデトックスを求めるユーザーを意識したものだ。ハイネケンとしてはビールを飲む楽しい時間をSNSやスマートフォンに邪魔されたくないことから、たいくつなケータイを企画したと思われる。
バービーフォンも基本機能はThe Boring Phoneと同等だ。コミュニケーションが必要なら通話とショートメッセージがあるので最低限のことはできる。SNSに振り回されていた時間を趣味に充てたり、大事な人との楽しい食事に集中できる。生まれた時からデジタルが当たり前のZ世代にとって、外観もレトロで低機能なガラケーをあえて使うことがカッコいいことでもあるわけだ。
とはいえ「ガラケーしか使わない」と頭を固くする必要もない。今の時代、格安製品や中古のスマートフォンもいくらでも販売されている。ファッションとしてのバービーフォンと、最低限のSNSや地図検索など用に安いスマートフォンをもう1台持つという使い分けが現実的かもしれない。
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