インドで儲ける企業に目を向けない投資家の損失 株式投資するならこれからの新興国で動く企業が鍵だ
東洋経済オンライン / 2024年10月19日 7時20分
株式投資でお宝銘柄を探すのに必要なことの一つが、海外それもこれからの国に目を向けること。1冊で2000ページにも及ぶ『会社四季報』を27年間で108冊全ページ読破する渡部清二さんの新著『投資をそろそろはじめたい。』より一部抜粋、再構成してお届けします。
日本以外に活路を見出した企業を探せ
2023年11月の人口統計によると、日本の人口は1億2434万2000人です。世界で12番目に多いとはいえ、すでに人口減少は始まっており、先の人口統計でも前年同月比で57万1000人も少なくなっています。人口減少に歯止めがかかる見込みはなく、2070年には8700万人まで減ると予測されています。
売上高は数量×単価で決まります。戦後、日本は人口が増加し、強い内需に支えられて発展してきました。ところが今後は国内での需要が減っていくことは疑う余地のない事実です。
それでは、企業は売上高を減らし続ける運命にあるのでしょうか? それは違います。国内のお客さんが減っているのなら、新たなお客さんを求めて国外にマーケットを広げることもできるのです。
これから成長する企業として、「国外の豊かなマーケットに打って出る力があるかどうか」という視点も欠かせません。その際の視点が「先進国は当たり前で、新興国はこれからのもの」です。
例えば、SHOEIという企業があります。バイクに乗る人にはお馴染みの企業です。高級ヘルメットを生産している企業で、世界シェアトップを誇ります。
一昔前の中国やベトナム、インドネシアなどでたくさんの人々がバイクに乗り、道路が混雑している映像を見たことがないでしょうか? 新興国では自動車より先にバイクが普及します。なぜなら、バイクは自動車に比べて圧倒的に価格が安いからです。その際、法整備が追いついていない国では、人々がヘルメットを装着することなくバイクに乗っています。
しかし、その状態は長くは続きません。いずれは法が整い、ヘルメット装着は義務付けられます。つまり、十分なバイク台数があり、そこにいる全員がヘルメットを購入するのです。台数の伸び×装着率。これが売上高につながります。
テレビに映し出されるたくさんのバイクとヘルメットを被っていないライダーの姿。「あれ? 誰もヘルメットを被っていないな」と気づけるかどうか。この視点が投資の成功の鍵を握っているのです。
ちなみに、SHOEIは世界のプレミアムヘルメット市場の60%以上のシェアを占めています。
インドのマーケットは日本の20倍!?
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