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日本首位デビュー「シビル・ウォー」制作A24の実力 新興スタジオが映画界の常識を打ち破る作品で台頭

東洋経済オンライン / 2024年10月19日 12時0分

ほかに、A24は、『ヘレディタリー/継承』(2018)、『ミッドサマー』(2019)のアリ・アスター、『グッド・タイム』(2017)、『アンカット・ダイヤモンド』(2019)のジョシュ&ベニー・サフディ兄弟、『ウィッチ』(2015)、『ライトハウス』(2019)のロバート・エガース、『スイス・アーミー・マン』(2016)、『エブリシング・エブリウェア』のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートなどとも、すばらしい関係を築いてきている。

アジア系作品も積極的に手がける

世間の風潮にプレッシャーをかけられるまでもなく、ごく自然に多様なフィルムメーカーによる多様なストーリーを語ってきたのも、同社の特徴だ。

北米の配給会社として始まった彼らが初めて制作に乗り出し、オスカー作品賞を受賞した『ムーンライト』(2016)は、黒人の同性愛者の物語。ハリウッドでは長年、黒人よりさらに存在感が薄かったアジア系の話も、『フェアウェル』(2019)、『ミナリ』(2020)、『エブリシング・エブリウェア』、『パスト ライブス/再会』(2023)などで語ってきた。

やはりアジア系キャストが中心のNetflixのシリーズ『BEEF/ビーフ〜逆上〜』(2003)、西島秀俊、國村隼、ジュディ・オングらが出演し、日本で全ロケをしたApple TV+の『サニー』(2024)も、A24の制作だ。

『サニー』のショーランナー兼脚本家のケイティ・ロビンスは、パンデミック中の日本でロケを実現できたことについて、「それが作品のためにいかに重要かをA24が理解してくれ、私たちのためにがんばってくれたおかげ。本当にありがたいです」と感謝を示す。

語られてこなかった人にスポットを当てる

一方、前出の重役は、「今までに語られていない話を語りたい。それらの話は、たまたま、多様な人たちのものであることが多い。その人たちは、自分の声を聞いてもらうチャンスを与えられませんでした。これからも私たちはその姿勢を貫いていきます」と、決意を示す。

そんなA24の作品は、これから日本の映画ファンにとってますます身近になっていきそうだ。昨年、ハピネットファントム・スタジオ(HPS)が、A24の映画を日本で独占配給する契約を結んだのである。

過去には違った配給会社が作品ごとに買い付けていたため、特定の作品が果たして日本公開されるのか、すぐにはわからなかった。ただし、この契約の前に別の会社が日本の権利を買い付けていた作品もあるため、この後もしばらくは別の配給会社が日本公開をするケースもある。

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