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日本首位デビュー「シビル・ウォー」制作A24の実力 新興スタジオが映画界の常識を打ち破る作品で台頭

東洋経済オンライン / 2024年10月19日 12時0分

HPSの代表取締役、小西啓介氏は、北米の配給会社としてA24に早くから注目をしていた。初めて取引をしたのは、2016年のトロント国際映画祭で『ムーンライト』を見て感激し、国際部の担当者をニューヨークにあるA24のオフィスに送り込んで日本の配給権を買い付けた時だ。

その後も『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』などA24の作品を買い付けるうちに、求める作品の方向性、フィルムメーカーを大切にする姿勢などが自分たちと共通すると感じ、包括的な契約をできないかと話を持ちかけた。

「『エブリシング・エブリウェア』でオスカー作品賞を取るなど、勢いに乗っているところでしたし、世界での市場にどう挑むかということについても彼らは考えていたところだったと思います。会社のブランドもマーケティングし、それをまた個々の作品の宣伝にフィードバックするうえで、ひとつの会社にまとめて配給してもらうほうがよいとも思ったのでしょう。作品のテイストもですが、そのあたりでも思いが一致しました」(小西氏)

前出のA24重役も、このパートナーシップに満足だ。「HPSはとてもセンスがよいですし、話していても、いつもよい質問をしてきます。それに、私たちのフィルムメーカーをとても大切に扱ってくれる。これまでも息が合っていた彼らともっと密に仕事をしていけることを、嬉しく思います」。

さらに、小西氏は、このパートナーシップは一方通行ではないという。
「日本の映画を海外で配給してもらう、あるいは日本のクリエイターの作品をA24と共同で企画開発していくというのも、このパートナーシップの狙いです。A24のノウハウ、クリエイティビティを借りて、日本のコンテンツを送り出していきたいと思っています」(小西氏)。

日本ロケの作品もこれから登場

これから公開されるA24の映画には、日本が出てくるものもある。ベニー・サフディ監督、ドウェイン・ジョンソン主演の『The Smashing Machine』は日本でロケを行い、すでに撮影が終了した。

ジョシュ・サフディ監督、ティモシー・シャラメ主演の『Marty Supreme』のチームも、もうすぐ撮影のために日本に向かう。A24お抱えの監督である彼らの作品で馴染みのある風景を見られるとは、実に興味深い。

ほかには、黒澤明の『天国と地獄』を、スパイク・リー監督、デンゼル・ワシントン主演、ニューヨークを舞台にリメイクする『High and Low』も控える。これらの作品は、日本の観客の洋画への興味を刺激するだろうか。

猿渡 由紀:L.A.在住映画ジャーナリスト

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