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NASA発表「太陽の活動"極大期"」今後1年は要注意 3つの危険物質、通信障害も?わかりやすく解説

東洋経済オンライン / 2024年10月19日 9時0分

太陽フレアが発生すると、通常時とは異なる「電磁波」「粒子」「ガス」が生み出されます。

太陽フレアにともなって発生する「3つのもの」とその影響

【1】電磁波
(生成物)強力なX線や紫外線
(時間)約8分で地球に到達
(影響)地球の大気を電離して、「通信障害」や「GPSの誤差増大」を引き起こす

【2】粒子
(生成物)エネルギーの高い粒子
(時間)速いものは30分、遅いものは2日ほどで地球に到達
(影響)宇宙飛行士の被曝量を増やす/人工衛星の誤作動や故障を招く

【3】ガス
(生成物)電気を帯びたガス(プラズマ)
(時間)約2日で地球に到達
(影響)地磁気嵐やオーロラを起こす/地球の大気を加熱し、膨張した大気が衛星を墜落させる/地上に電流を誘導し、停電を引き起こす

ぱっと見、どれもなじみがなく、難しく感じますね。

過去の実例も交えながら、1つずつ見ていきましょう。

【1】電磁波→通信障害、GPS誤差増大

太陽フレアが起こると、X線や紫外線が大量に発生します。これらは電磁波の一種なので光の速度(秒速30万キロ)で移動し、発生から約8分後に地球に到達します。

強力なX線や紫外線は、上空にある大気を電離させて異常な領域をつくり出し、短波放送や航空無線の通信に障害を起こすことがあります。この通信障害を専門用語で「デリンジャー現象」といいます。

この現象によって、スマホで電話ができなくなるわけではありません。

上空の大気の異常は、GPS衛星による測位にも悪影響を及ぼします。スマホにはGPS以外に基地局による位置情報もあるので影響は少ないものの、GPS付きドローンには影響が出るかもしれません。

月面では死亡事故も「高エネルギー粒子」

【2】粒子→宇宙飛行士の被曝、人工衛星の障害

太陽フレアにともなって、非常に高いエネルギーを持った粒子が生み出されます。

中には、光の速度の30%にも及ぶ猛スピードの粒子もあります。人間がこうした粒子を浴びてしまうと、細胞やDNAが傷つけられ、被曝します。

このような粒子を専門用語で「太陽高エネルギー粒子」といいます。高エネルギーの陽子が増大する現象は「プロトン現象」といいます。

地上で暮らす私たちは、地球の大気と磁場がバリアとして守ってくれるおかげで、太陽高エネルギー粒子による被曝の心配はありません。

危険にさらされるのが、地球の大気に守られていない宇宙飛行士です。高度400キロの国際宇宙ステーションでは、大きな太陽フレアが発生すると、すぐに連絡があり、宇宙飛行士たちは壁の厚い部屋へ移動します。

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