上場で注目、東京メトロ「2つの新路線」の現在 有楽町線と南北線の「延伸」は何をもたらすか
東洋経済オンライン / 2024年10月19日 6時30分
帝都高速度交通営団、通称「営団地下鉄」の民営化により、東京メトロ(東京地下鉄)が発足したのは2004年4月のことだった。それから20年を経て、10月23日に同社は東京証券取引所プライム市場に上場。国が53.42%、東京都が46.58%を保有する株式の半分を売却する。
【図と写真でわかる】どこを通る計画?南北線と有楽町線、東京メトロの「2つの新路線」
売り出し価格は1株あたり1200円で、上場時の時価総額は6972億円。久々の大型上場とあって注目を集めるとともに、東京の地下鉄の歴史においても大きな節目といえる。
この上場に深く関係しているのが、東京メトロが整備を進める2つの新線、有楽町線の延伸と南北線の延伸だ。工事に向けた手続きは済んでおり、近く着手することになるとみられる。
2030年代半ばの開業目指す
有楽町線の延伸は、同線の豊洲駅から分岐して東西線の東陽町駅を経由し、半蔵門線・都営新宿線の住吉駅(いずれも江東区)に至る4.8kmを整備する計画。南北線の延伸は、同線の白金高輪駅から分岐して品川駅(ともに港区)に至る2.5kmだ。
【写真と地図】有楽町線延伸の豊洲―住吉間、南北線延伸の白金高輪―品川間はどんなところを通る?
両線は、2021年7月に国の交通政策審議会がまとめた東京の地下鉄のあり方に関する答申で、東京メトロを事業主体として早期の事業化を図るべきとされた路線だ。
同答申では、国と都の思惑の違いからなかなか進展が見られなかった東京メトロの上場についても方向性が示され、これを契機に新線建設と上場という2つの大きな課題が具体的に動き出した。
有楽町線延伸と南北線延伸、どちらも2030年代の開業を目指す新線だが、これまでの検討や計画の経緯は異なる。
南北線の延伸は、2010年代以降に都が中心となって推進してきた比較的新しい計画だ。同線は、六本木など都心部とリニア中央新幹線の駅整備や再開発が進む品川駅を結ぶ「都心部・品川地下鉄」として、2015年に都がまとめた鉄道整備計画で浮上。翌2016年に、国の交通政策審議会による今後の東京圏の鉄道整備指針を示す答申に盛り込まれた。
同答申の時点では「検討熟度が低く構想段階」とされていたが、その後事業性の検討が進み、2021年には「早期の事業化を図るべき」とされるまでランクアップした。都が推しているだけあり、早期に事業化へ向けて動いた路線といえる。
半世紀以上前から続く計画
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