10.27総選挙後、日経平均が上昇するとは限らない 上値余地は限られ、下落リスクも消えていない
東洋経済オンライン / 2024年10月20日 8時0分
1990年から2021年までの「衆議院選挙と日経平均株価」をみてみると、確かに「解散日から投票日までの株価」でみると、このアノマリー(経験則)はあてはまるようだ。
だたし、これに関しては日本株に大きな影響を与える米国株がこの期間、たまたますべて堅調だったことが大きいのではないか。もし米国株が下落していたら、日経平均株価も下落していた可能性もあることに留意したい。
一方、「投票日から選挙50日後の日経平均株価」をみると、株価はすべて上昇ではない。上昇も下落もあり、とバラバラなのだ。結論を言うと「解散から総選挙までは株高だが、選挙後は株高とは言えない」のだ。
では、どのようにバラバラなのか。株価のパフォーマンスのいい年順に列挙すると、もっともよかったのは2012年で+20%(政権交代で第2次安倍内閣が発足、アベノミクスが開始)。
以下2005年の+16%(「郵政解散」で与党が圧勝、第3次小泉内閣)、2017年の+11%(与党圧勝、第4次安倍内閣)、2014年の+8%(与党圧勝、第3次安倍内閣)、2003年の+3%(第2次小泉内閣)と、政策期待が高い長期政権ほど、株価は上昇していることがわかる。ちなみに、第2~4次安倍内閣の8年弱で、日経平均株価は129%上昇している。
逆に、パフォーマンスが悪い年順に列挙すると、1990年の-21%(第2次海部内閣)、1996年の-10%(第2次橋本内閣)、2009年の-7%(民主党の鳩山内閣)と、短命政権ほど株価が下落している。
例外は、2021年の-3%(与党勝利の第2次岸田内閣)だ。その後、岸田政権は2022年5月5日に「インベストイン岸田」をスローガンに英国のロンドンで基調講演を行い、「資本主義4.0」による日本経済の変革と成長を売り込んだだけでなく、新NISA(少額投資非課税制度)導入や東京証券取引所の改革などもあり、3年で36%株価は上昇した。
短期波乱懸念も、与党過半数確保なら株価上昇の期待
今回の総選挙では、与党である自民、公明の両党は解散時勢力で計288議席(自民党単独で256議席)だったことから、まずは過半数にあたる233議席を確保するのが目標だ。
現在、自民党にとって派閥を巡る政治資金問題はかなりの逆風となっている。短期的には、「マーケットの制空権を握る」海外投資家は、たとえ与党が過半数を維持しても、議席を一定数以上減らすとネガティブに反応する可能性があるとみておくべきだ。
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