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「説明がヘタな人」「うまい人」の決定的な違い 「論理的に話せば伝わる」というわけではない

東洋経済オンライン / 2024年10月21日 16時0分

私の友人がパン屋さんをオープンしたときに、次のような説明をしてくれました。

「ウチのパンはね、国産バターを100%使用して、爽やかな風味がたっぷりなの。しかも、牛乳とチーズで深いコクを出して、湯種製法だからもちもち食感で、ホント最高。もちろん、保存料も着色料も使ってないから、子どもから大人、おじいちゃん、おばあちゃんまでみんなに安心。毎日食べても飽きないと思うから、ぜひ食べてみてよ!」

その熱意ある友人の語り口に、私は「おいしそうだなぁ。今度行くね!」と答えました。

しかし、実際にそのパン屋さんに行く前に、知り合いにそのパンの魅力を説明しようとしたら、うまく言葉が出てこなかったのです。

私「そういえば、友人の市川さんが今度パン屋さんをオープンさせたんだって」

知り合い「へえー、どんなパンなの?」

私「えっと……なんか……もっちり系で無添加のめっちゃおいしいパンらしいよ」

いろいろと魅力を教えてもらったはずですが、記憶に残っているのはこのくらいでした。

自分でパンを食べて、そのおいしさに感動していれば、もっと伝わる説明ができたはず。しかし、たくさんの情報が詰め込まれた説明だけでは、人の記憶には残らないのです。

「自分の言いたいことを1から10まで言葉にできる人」が説明上手ではありません。「聞き手が受け取れる2割の部分で、しっかりと必要な情報を伝えられる人」こそが本当の説明上手なのです。

伝わる説明のコツは「削る意識」

人は、話の2割しか受け取ることができません。となると、当然伝える内容は絞らなければなりません。一気にたくさんの情報を詰め込むのではなく、「最低限、これだけは伝えたい」というポイントを絞ることが、伝わる説明のコツです。

例えば、次の説明ではどちらがうまく伝わるでしょうか?

【伝わる説明の事例】
・テーマ:道案内
・歩行者の「すみません、この辺りにカフェはありますか?」に対しての説明

A「はい。まっすぐ行って、2つ目の角を右に曲がると、右手にカフェがあります」

B「はい。まずこの道をまっすぐ進んで、1つ目の信号を過ぎてから、2つ目の角を右に曲がります。右に曲がったら、少し進んだところに小さな公園があります。その公園を過ぎてさらに進むと、左手にコンビニが見えてきます。そのコンビニを過ぎてすぐ右手にカフェがあります」

一見、Bのほうが丁寧に説明しているように見えますが、情報が多すぎると、かえって混乱してしまいそうですね。

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