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「がんばれ」より相手思いな"励ましの言葉"がある 応援するつもりが、緊張を強いていませんか?

東洋経済オンライン / 2024年10月22日 16時0分

あらためて、「頑張る」とはどういう意味でしょうか(写真:perfecta/PIXTA)

学校では「がんばらない」を教えてくれませんでした。

弱音を吐かずにがんばる人は、「我満強い」「がんばり屋さん」「忍耐力がある」と称賛されるのが一般的。そのため、すでに自分は限界を迎えていても、無意識に押さえこんでしまい、その結果、ある日突然、メンタルを病んでしまうこともあります。

精神科医の和田秀樹氏は、「つらいなら今すぐ逃げなさい」とメッセージを送ります。なぜなら、逃げることこそが無駄な勝負を避けるポジティブな戦略だからです。

和田氏の著書『逃げる勇気』を一部抜粋し、3回にわたってお届けいたします。

逃げるとは、生き延びること

私たちは、あたりまえのように「がんばれ」と人を応援しています。

「がんばってね」

「最後まであきらめちゃいけないよ」

「途中で逃げだしちゃダメ」

みなさんが挫折しそうになったとき、周りからこんなふうに励まされてきたのではないでしょうか。

でも、「逃げてもいいよ」とは、だれも言ってくれなかったはずです。

人を励ますためや応援したい気持ちを伝えるために、「がんばってね」と言いたくなります。

応援されたら、「はい、がんばります」と答えてしまいます。

でも、その言葉を口にするのは、ちょっと待ってください。

「がんばる」は、漢字で「頑張る」と書きます。広辞苑には、主に3つが記されています。

①我意を張り通す。 

②どこまでも忍耐して努力する。 

③ある場所を占めて動かない。

あらためて考えてみると、「我を張り通す」「どこまでも忍耐する」「場所を占領する」という「頑張る」は、どれもあまり良い意味ではありません。

「逃げ」と「遊び」は、生きていくうえで重要な戦術

一方、建築用語では、「逃げ」 は「遊び」とも言われ、部材に狂いが出たときに、その誤差を受けとめる「余裕」を表します。

隙間を作って余裕を持たせておくことで、木材などの部材が温度差や湿度などによって狂いが出ても、その細かなズレを吸収することができるのです。

「逃げ」という隙間によって、建物の完成度が格段に高まります。

つまり建築の世界では、逃げがゼロの仕事は完璧とはいえないのです。

また、車のハンドルとブレーキにも「遊び」があります。

遊びがないと、道路のちょっとした凹凸でタイヤが動いてハンドルに常時伝わります。これでは車を安定して真っすぐに走らせることができません。とても危険です。

ちょっとしたハンドル操作とブレーキ操作で、車が方向を変えたり急停止したりしない「遊び」が車の安全性を高めています。路面に凸凹があっても遊びがあるからハンドルを取られにくいのです。

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