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ミニ新型EV「エースマン」温故知新デザイン進化論 つねに新しいスタイルであり続ける4つの意識

東洋経済オンライン / 2024年10月22日 12時0分

それでいて、見る人が見れば、ひと目でミニとわかる。

なぜ、ミニから斬新な発想が生まれ続けるのか?

2001年にBMW傘下のブランドとして、新しいスタートを切って以来、よくもまあ、“手札”がなくならないものだ。その疑問についてハイルマー氏は、「過去にこだわっていないからだ」とする。

「今回のエースマンも、(1959年にBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)が発表した)オリジナル・ミニのイメージを意識しています。もちろん、サイズは大きくなっているし、SUV的な要素を盛り込んでいるので、同じとは言いませんが、重要なのはコンセプトです」

つまり、エースマンをどのようなモデルにしようとしたか。その考え方に注目してほしい、とハイルマー氏は言う。

「私は、オリジナル・ミニの設計者であるサー・アレック・イシゴニスが今もミニのプロジェクトに携わっていたら、どんなふうにモデルチェンジをしていくだろう、と問題提起し、それにしたがって、デザインチームが出した答えが、今回のエースマンです」

エースマンは、冒頭に記したとおり、全長4mそこそこのコンパクトサイズ。それでいてドアは4枚あり、ホイールベースは2605mmと長い。なので、前後席の空間もしっかり確保されている。街中で使いやすいサイズとブランドが強調するとおり、市場の要求にしっかり応えたプロダクトである。

「ミニ・エースマンは都市での使用にぴったりフィットします。まさに最初のミニの持っていた特長で、それを電動のクロスオーバーという現代的なカタチで表現したのです」

クルマに乗る人はみな感じていると思うが、昨今、車体の大型化の傾向が著しい。ハイルマー氏の発言に出てくるオリジナル・ミニは、多くの人が手に入れやすい小型車として開発され、車体は全長3m、全幅1.4mだった。

さすがにオリジナル・ミニは、今は2シーターと捉えたほうがいいサイズではあるが、それでも大型化が進んでいる今のクルマは扱いにくいと感じている都市生活者は少なくないのではないだろうか(大型化する最大の理由は、年を追うごとにきびしくなっている衝突安全基準をクリアするためという)。そんななかで、エースマンが“コンパクト化”と原点回帰のようなことをうたうのが、とても興味深い。

コンパクト化+αの価値創出

ただ、サイズのコンパクト化では“商品性が足りない”と考えたのだろう。エースマンは、フェンダーを強調することで、走りがよさそうな印象を強調。同時に内装デザインを凝ったものにしている。それはドアを開けると驚くほどだ。

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