人生設計「30年後に年収5000万円」の壮大な勘違い 起業家と編集者が真剣に考えた目指すべき目標
東洋経済オンライン / 2024年10月23日 8時10分
箕輪:うん、つい若いままの感覚で将来設計しちゃうんですよね。
けんすう:たとえば現時点で「数字を上げたい」と思っていたら、自分が将来にわたってずっとそう思ってるだろうと思い込んでしまう。そうなると、20代で「来年は年収500万円」と思っていたら、「30年後は5000万円だ」みたいに、目標が単なる数字の線形になっちゃうんです。これは将来設計を壮大にミスってるなと思いますね。なぜなら、年齢が上がるにつれて大事なものって変わっていくから。
箕輪:あるある。
けんすう:僕、20代くらいのころに書いた「将来の目標」みたいなメモを見直したことがあるんですけど、「年収2000万円」「Photoshopを使えるようになる」とか書いてあって、「あれ、俺ってPhotoshop使えるようになりたいんだっけ?」と。当時はそういうのが重要度高かったんでしょうけど。
箕輪:めちゃめちゃわかります。僕なんか「『氷結』のロング缶を買うかショート缶を買うかで悩まないようになりたい」って思ってましたね。数十円の差で迷ってる状況を変えたかった。マジでお金なかったんで、そのころは本当に数字にとらわれまくってました。今、思い返すと、あれはいったい何だったんだろうと。
人生で一度は死ぬほど仕事する
けんすう:要は、今、目標としてあるものが、必ずしも将来の自分が欲しているものとはかぎらないんですよね。でもそれは未来になってみないとわからない……なんて身も蓋もない話になっちゃいますけど、じゃあ、今、何をしたらいいのか。若い人たちに向けて、箕輪さんから何かアドバイスあります?
箕輪:うーん。やっぱり、一回死ぬ気で仕事しといたほうがいいですね。今はぜんぜん流行らなくなってる考え方ですけど、これ言わないのも無責任だなと思うようになりました。世の中って結局、特に労働に関しては昔と大して変わってないし、ベーシックインカムなんかも現実的にはまだ先のことだから、一度もがんばらずにゆるく生きてたら、当然のように貧乏でつらい未来になると思うんです。だから、とにかく自分が得意なことや好きなこと――自分的に一番比重をかけられるところに、極端なくらい時間を投じ続けるしかないですよね。
けんすう:たしかに。仕事って福利が大きいですからね。40歳以降は体力的にそんなに働けなくなるうえに、信用や実績といった資産がないと仕事が来なくなっちゃうから、30代前半くらいまでは、そういう資産をがんばってつくらないと。
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