需要増す「インプラント」不安な人に伝えたい真実 よい治療を受けられる施設選び、7つのポイント
東洋経済オンライン / 2024年10月23日 9時20分
歯を失った場合の選択肢の1つ「インプラント」。興味はあっても、費用が高額だったり、周囲からよくないウワサを耳にしたりして、踏み切れない人もいるのでは?
実際のところ、どうなのだろうか。インプラント治療のエキスパートである東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)口腔インプラント科診療科長の丸川恵理子医師に、最新のインプラント事情と、受け方のポイント、注意点を聞いた。
「硬いものがかめる」と高まるニーズ
口腔インプラント(以下、インプラント)とは、顎の⾻にチタン製のネジを埋め込み、その上に⼈⼯の⻭を取り付ける治療だ(※インプラントの構造は、こちらをご覧ください。外部配信先では閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
技術の進化によって、20~30年、場合によってはそれ以上もつ、“一生ものの人工歯”となった。入れ歯やブリッジとは異なり、見た目は天然歯と変わらないうえ、ブリッジのように周りの歯にダメージを与えることがない。入れ歯のようにかむ力が落ちない点でもメリットは大きい。
「昨今は『硬いものでもなんでもかめる歯で、この先も自由に食事を楽しみたい』という人が増えていることもあり、インプラントのニーズは高まっています」と丸川医師は話す。
取り扱いの煩わしさがない点もメリットの1つ。
旅行先でも、介護が必要になっても、入れ歯のように取り外して手入れをする必要はない。入れ歯でありがちな“話しづらさ”もないため、友人とのおしゃべりも気にせず楽しめる。
そのため、昨今ではとくにシニア女性にインプラントを希望する人が増えているという。
「インプラントは骨の成長の止まった20歳以上であれば、80歳代でも入れられます。手術に耐えられる体の状態であれば、とくに年齢に上限はありません」(丸川医師)
インプラントが怖いと感じる理由
ニーズは高まりつつあるものの、いまだ多くの人がインプラントを「怖い」と感じているのも事実だ。その理由は「周囲の体験談に影響されていることが多い」と、丸川医師は指摘する。
「『インプラントを入れたら腫れや痛みが長引いた』など、家族や友人からのネガティブな経験談を聞いて不安を感じ、怖くなってしまう人もいます。ただし、こうした体験談は、かつての古い治療技術に基づいている場合が多いようです」(丸川医師)
近年のインプラントは、後述するCT(コンピューター断層撮影)やナビゲーションサージェリーといったデジタル技術により、手術の精度と安全性は飛躍的に向上している。
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