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ドラマ脚本も話題「バカリズム」溢れる才能の原点 かつてはコンビ、その頃から才能の片鱗

東洋経済オンライン / 2024年10月23日 12時0分

驚くべきは、学生時代からすでにその片鱗があったことだ。

バナナマン、東京03の単独ライブを長らくサポートしているコント作家・オークラ氏は、著書『自意識とコメディの日々』(太田出版)の中で、自身が芸人として活動していた時代に日本映画学校(現・日本映画大学)の生徒としてマセキ芸能社の事務所ライブに登場したバカリズム(当時はコンビ)の衝撃をこう書いている。

「その時やっていたネタが『恥ずかしい行為を競い合う世界大会で優勝した男のインタビュー』というもので、優勝した選手とインタビュアーが大会を振り返っているだけなのだが、具体的な競技内容も見せず、断片的な情報で大会内容を想像して楽しむというコントだった。

自分が作るシステムコント(筆者注:オークラ氏が個人的に名付けたコントジャンル。主には、演じる世界に1つのシステムを作り、それを前提に話を進め、見る者に理解させたところで展開の仕方、崩し方でさらに笑いを作るコント)よりスマートで、かつ枠からはみ出さないシンプルな構成、そして余計な笑いもないがポイントポイントで確実に笑わせる、すごく美しいコントだった」

1999年から『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)がスタートし、2000年代にネタ番組ブームが訪れるも、バカリズムに対する世間の評価はそれほど高くなかった。

アンジャッシュの「すれ違いコント」のように定番のフォーマットを打ち出すのではなく、ネタごとに違ったシステムを生み出す“尖ったコンビ”という印象が強かったためだろう。

2005年にコンビは解散。ピン芸人となって間もなく、『R-1ぐらんぷり(現・R-1グランプリ)』(関西テレビ/フジテレビ系)で披露したフリップネタ「トツギーノ」がヒットし、『爆笑レッドカーペット』(同系)でも存在感を示した。しばらくすると、涼しい顔で「トツギーノ」を捨て、本来のコントスタイルで人気を獲得していく。

コントを披露する単独ライブだけでは飽き足らず、番外編ライブ「バカリズム案」もスタートさせ、ピンのネタゆえに観客の想像力をかき立てるような面白さを突き詰めていった。そんな彼が大喜利に強いのは必然にも思える。

ヤンチャな一面も垣間見える

漫画やゲーム好きなどインドアなイメージのあるバカリズムだが、もともと福岡のヤンチャな環境で学生時代を過ごした一面も知られている。それは、バラエティーにおいても垣間見えた。

よく覚えているのが、『そんなバカなマン』(フジテレビ系。2015~2017年レギュラー放送終了)の「そんなバカなホームステイ」での一幕だ。

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