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京阪交野線、「難読駅」つなぐ「難読路線」の実力 枚方市から交野市を経て私市に至るミニ路線

東洋経済オンライン / 2024年10月23日 6時30分

京阪電気鉄道交野線の終点、私市駅に到着する電車。とにかく沿線に難読地名が多い(記者撮影)

2024年は「東海道五十七次」の宿場町がすべて整備されてから400年の記念の年にあたる。歌川広重の浮世絵で有名な「東海道五十三次」が江戸の日本橋から京都の三条大橋に至る間の宿場町を指すのに対し、五十七次は53番目の大津宿から分岐して大坂の高麗橋に至る京街道の伏見、淀、枚方、守口を加える。

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分岐点は現在の京阪電気鉄道京津線の追分駅近くにあった。また、京街道の4つの宿場を鉄道で結んでいるのが京阪本線だ。枚方市駅は京阪全線で3番目に乗降人員が多く、昔も今も交通の要衝となっている。

枚方市駅からは交野線が私市駅まで延びている。この路線、とにかく沿線に難読地名が多い。

私市へ延びる交野線

枚方市駅の京阪本線と交野線、そして天野川に囲まれた三角地帯には2024年、高層階にホテルやオフィス、低層階に商業施設が入る再開発ビル「ステーションヒル枚方」が誕生した。天野川は生駒山地を源流として、平野部では交野線と並行して淀川に合流する。

交野線は6.9kmと距離は短いが、起点・終着駅の枚方市・私市と途中駅(宮之阪、星ケ丘、村野、郡津、交野市、河内森)を合わせて8駅もある。そのため、駅間は最も長くて交野市―河内森間の1.7kmほどしかない。全線が複線で日中は4両編成のワンマン運転の電車が1時間当たり上下各4本行き交う。

【写真を見る】何と読む?全国屈指の難読駅「私市駅」のかつての駅前風景。周りに何もなかった「交野駅」時代の「交野市駅」の姿も(40枚)

天野川の流域は平安時代に交野ヶ原と呼ばれる貴族の狩猟地だったという。それ以前に秦氏などの渡来人がもたらした文化もあいまって、機物神社、牽牛石といった七夕伝説にまつわるスポットが点在する。

歴史がある土地だけに「難読地名」が数多くあり、駅名も例外でない。終点の私市駅は難読駅名の強者ぞろいの関西でもとくに有名。私市と書いて「きさいち」と読む。その難易度が圧倒的に高いために影が薄くなってしまうが、「枚方」「交野」だって読めそうで読めない。交野が読めなければ駅名も路線名も読み方がわからないことになる。

「枚方市」は読める?

それぞれ「まいかた」「こうの」などと間違えられることが多いというが、「ひらかた」「かたの」が正解だ。交野線の半数の駅が所在地とする枚方市はホームページなどで「マイカタちゃいます、ひらかたです。」とアピールする。京阪グループが運営する遊園地「ひらパー」こと「ひらかたパーク」も知名度アップに貢献しているといえそうだ。さらに目立たないが、交野線の駅では「郡津(こうづ)」も読むのが難しい。

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