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北朝鮮軍のロシアへの派兵は確実に始まっている 派兵実現を急いだロシア・北朝鮮の本気度

東洋経済オンライン / 2024年10月23日 8時0分

また今回の派兵には、兵力不足にあえぐロシア軍を北朝鮮軍が支援するという構図以外に、別の注目すべき構図がある。金総書記がロシアからの要請を受けた背後には、派兵を北朝鮮軍の戦闘能力を高めるための実戦訓練の場とするとの狙いがあるのだ。朝鮮戦争以降、北朝鮮軍は大規模戦争の経験がない。統合作戦やハイブリッド作戦といった近代戦のやり方を知らないといわれる。

ウクライナ軍関係者によると、金総書記は派兵に当たり、プーチン氏に対し「何よりも実戦経験を積むことが必要」との極めて強い調子で語ったという。

すでに北朝鮮は600万個ともいわれる大量の砲弾を供与。さらに短距離弾道ミサイルも供与しているが、今回の派兵はこうした軍事支援とは明らかに性格が異なるのだ。

認識すべき新局面

この「実戦経験」発言で想起されるのは、最近の北朝鮮での韓国に対する極めて対決的な言動だ。韓国を「敵対国家」と規定したと報じたり、金総書記が朝鮮人民軍の指揮所を訪れ、敵国と見なす韓国との臨戦態勢に備えるよう指示するなど、韓国に対する軍事的威嚇を強めている。

つまり、今回の北朝鮮の派兵開始で認識しなければならないのは次の3つの新局面だ。①北朝鮮が派兵したことで、ウクライナ侵攻が朝鮮半島情勢とリンクした、②派兵により北朝鮮と韓国との関係がより緊張度を増す可能性が出てきた、③朝鮮半島の今後の展開次第で、ロシアが北朝鮮への軍事支援に乗り出す事態も否定できない局面に入った、である。

上記した新局面に対して、アメリカや日本はそれぞれ大統領選や解散もあり、反応が遅れた。しかし今後は韓国や欧州とも連携し、しっかりと対応策を練るべきだ。

吉田 成之:新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長

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