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3年ぶりの新モデル「iPad mini」は"誰向け"なのか 上位モデルに迫る性能を軽量ボディに詰め込む

東洋経済オンライン / 2024年10月23日 0時0分

一方で、iPad miniならではサイズ上の制約もあった。iPad ProやiPad Airが高速なインターフェースを搭載するApple Mプロセッサーを採用できたのに対して、iPad miniはiPhoneのチップを使わなければ成立しない。

そのiPhoneがiPhone 15 Proの世代でUSB-Cを採用したことで、チップ内に10GbpsのUSB3.1インターフェースが搭載されるようになり、従来の5Gbpsから帯域が倍増している。高画素デジタルカメラの多くが対応しているため、写真のRAWファイルを転送したり動画を転送する際のストレスを大きく削減できる。

さらに搭載されるメモリ(チップが直接アクセスするメモリで、ストレージ容量のことではない)が、従来の4GBから8GBに増加している。これによりiPad Proをターゲットにした、より高度なアプリケーションが快適に動くことが期待できる。

今までは軽さやコンパクトなサイズ感に魅力を感じながらも、スペックの力不足でiPad miniを敬遠してきた層にとっては、こうした細かな部分で上位モデルとの違いが減っていることが評価のポイントとなるはずだ。

もちろん、Apple自身が訴求しているように、Apple Intelligenceに対応する点も見逃すことはできないが、それよりもシステム全体がiPad Pro、iPad Airに近い構成になったことで、用途が広がることのほうが「どのiPadを選ぶのか」という視点では重要だ。

ワークフローの見直しに

iPad Proからホームボタンが消え、全面ディスプレイとなった際にUSB-C端子が備わり、カメラとのケーブル接続による連携やApple Pencilでの現像処理・レタッチが可能になり、やれることが大幅に増えた。あの感動が2018年。2024年現在、iPad miniでもまったく同じことが、さらに高いパフォーマンスで可能になったのだ。

iPad Proをカメラ機材と一緒に持ち歩くことを考えれば、ほぼ同じワークフローを293グラムという軽量ボディでこなせるメリットは大きい。特に512GBモデルの追加は、USBの高速化と共にフィールドカメラマンにとっての魅力的だろう。

8.3インチのLiquid Retinaディスプレイは、クリエイティブツールの標準とも言えるDisplay-P3対応の広色域表示となっている。最大輝度は500nitだが、色の信頼度は高く、デジタルカメラのパートナーとして最適だ。

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