1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

和田秀樹が教える「60歳から頭がよくなるコツ」 話が上手な人とそうでもない人の決定的な差

東洋経済オンライン / 2024年10月25日 7時20分

話が上手な人とそうでもない人を分ける最も重要なポイントは、得た情報や知識、自分の考えなどを「まとめる力」があるかどうかだと思います。わかりやすい話をするためには、まず自分なりにその内容を理解している必要があります。そこで重要になってくるのが、物事の大枠を理解する、つまりまとめるということなのです。

多くの学者は細かいことで議論を戦わせる傾向がありますが、大切なのはディテールではなく、要点や概略をつかむことだと思います。たとえば「仏教とキリスト教とユダヤ教とイスラム教の違い」や「仏教のなかでも、法華経と般若心経の違い」を説明したいと思ったときに、大雑把でもよいので、それぞれの全体像がわかっていれば、説明しやすくなるでしょう。

自分の考えを理路整然(りろせいぜん)と伝えるにしても、面白い話に発展させるにしても、もとになるのはまとめる力であり、この力が身につくことで、はじめて伝える力が発揮されるということです。誰かと会話をする際も、要約する力があれば、「つまり、この人の言いたいことはこういうことかな」と、ポイントをつかむことができます。そうやって相手の伝えたいことや意図していることを理解できたなら、ニーズを満たしてあげることができるでしょう。このように、まとめる力は、コミュニケーションにおいて非常に重要な能力です。

けれど残念なことに、日本の教育はこの「まとめる力」を伸ばすことにあまり重きを置いていません。外国では長い文章や論文を読み、その内容をまとめるという教育が行われているのに対し、日本では登場人物の心情理解をしたり、自分なりの感想を述べたりすることを求められます。なにもわざわざまとめる力を鍛えなくても、読解力は自然に身につくものと思われているのです。

「自分にはまとめる力くらいあるよ」と思ったとしても、いざ話そうとするとうまく言葉にならない、言いたいことが整理できない、といった具合になるのであれば、それは結局のところ、まとめられていないということなのです。けれど、このまとめる力も、少し意識を変えてみたり、日々のなかでトレーニングをしてみたりすることで、たいていの人が身につけることができます。結局ここでも大切なのは、ちょっとした技術と意欲なのです。

わかった気になるのと、実際に理解して内容をまとめられるのとは別問題

まとめる力をつけるために効果があるのは、さまざまな情報に触れたときに、その内容を要約してみること。「なんとなくわかった」で終わらせないということです。本や文章を読んだり、人の話を聞いたりしたときなどに、頭ではわかった気になっても、仮に「では、今の内容をまとめてください」と言われたら、戸惑ってしまう方が多いのではないでしょうか。「わかった気になる」のと、「実際に内容をきちんと理解していてまとめられる」というのは、まったくの別物なのです。だからこそ、意識して要約する訓練を重ねていくことが大切です。説明作業を日々、怠らないということです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください