福岡「生徒数右肩上がり」高校の校長がしないこと 6階まで跳ねる「ノミ」も環境次第で跳ばなくなる
東洋経済オンライン / 2024年10月26日 16時0分
少子化にもかかわらず、生徒数が伸び続けている福岡の私立柳川高校。
「絶校長先生」を自称すること古賀賢校長は、学校存続の危機から学校組織、教員、生徒をどう変えていったのでしょうか。その方法や経験を3回にわたって紹介します。
(本稿は『学校を楽しくすれば日本が変わる 「常識」をひっくり返した「絶校長」の教育改革』から一部を抜粋・再構成したものです)
人は変われると1000%信じている理由
毎年、卒業アルバムに載せている言葉があります。
「卒業生のみんなへ! 人は無限の力をもって、この世に生まれ、無限の可能性をもって、この世に存在しています。
自分の限界を誰が決めているんですか?
自分ではありませんか?
自分ができるか? できないか?
自分で自分のサイズをつくっていませんか?」
私は「人は変われる」と100%、いや1000%信じています。
でも、世の中には「どうせ俺なんて」「どうせ私なんて」と自らもう変われないと思い込んでいる人もいれば、マネジメントする立場なのに「こいつらに何を言っても変わらないよ」と諦めている人もいます。
でも、私は人が変われるかどうかは、誰が隣にいるか次第だと考えています。
ノミの実験
思い出すのは、以前、あるプロ野球の監督と食事をしていたときに聞いたこんなエピソードです。
監督のチームでは球団が新球場に移転。以前の球場よりも外野が広く、フェンスも高くなり、なかなかホームランが出なくなりました。
選手たちは「フェンスも高い」「ドームになって追い風が吹かなくなった」とぶつぶつ文句を言っていたと言います。ところが、メジャーリーグから外国人選手がやってきてすぐにホームランを連発し始めました。そしたら、ぶつぶつ言っていた日本人選手も打ち始めたのです。
「古賀くん、これってどういうことだと思う?」
全国の球児たちのトップ中のトップが集まるプロ野球の世界。元々、どの選手にもその新球場でホームランを打てる力があったはずです。
ところが、環境が変わったら誰も柵越えを放てなくなってしまった。
そこで、「打てないね……」とぶつぶつ言い始める。
監督は「これね、ノミの実験の話と同じなんだよ」と言うのです。
ノミの実験の「ノミ」とは、あの自然界にいる小さなノミのこと。
ノミはすごい脚力を持っていて、人間で言うとマンションの6階の高さまでジャンプすることができます。ところが、そのノミを小さな箱に入れて2日間置いておくと、そこから出しても箱のフタの高さまでしか跳べなくなってしまうのです。
子どもたちにとっての小さな箱
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