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任天堂、1.3万円「目覚まし時計」が大注目の理由 謎の商品が示すQOL事業の復活と次世代機への布石

東洋経済オンライン / 2024年10月26日 7時40分

なお、今後のアップデートで「どうぶつの森」と「マリオカート」のアラームも追加される予定となっている。

高級目覚まし時計はいったい誰向けなのか?

このように電波センサーを活用した目覚まし時計としては興味深いのだが、問題は狙いがよくわからないということだ。

子供向けの目覚まし時計としてはおもしろく、筆者の4歳の子供も強く興味を持った。マリオが動くだけで喜ぶし、入眠時のサウンドでぐっすり眠ったのにも驚いた。

ただ、アラーモの価格は1万2980円(税込)である。子供に与える目覚まし時計としてはかなり割高だろう。しかも動きを感知するセンサーのおかげで、基本的にひとりひとつのベッドでの利用が想定されている。

制約も多い。アラーモはUSBケーブルで常に給電する必要があるし、設置場所もベッドから高さ20cm以内に収めなければならない。ペットがいる場合もセンサーに影響があるので使いづらくなる。

はっきりいって、あまりにも注文の多い目覚まし時計だ。また、任天堂のキャラクターが出てくるという部分も必須かどうか疑わしい。

そもそもアラームで起きるときはうるさいから起きるのであって、サウンドの内容はどうでもいいのである。実際、「マリオの曲だ」と思うのはなんとか覚醒したあとで、その中身の良し悪しを吟味している場合ではないのである。

筆者は普段Apple Watchのアラームで起床しているが、そのサウンドにこだわりなどまったくないし、起こしてくれることが第一といえる。また、目覚まし時計に使っていた音が嫌いになるケースもあるそうで、それを懸念する声もある。

とはいえ、電波センサーによるアラーム停止機能はなかなか優れている。筆者は2日目にして「センサーから感知されれば止まるのだから、とにかく床に降りればよい」と無意識のうちに行動できた。床に落ちてもまだぼんやりと半分夢の中にいたものの、さすがに寝床から抜け出せればなんとか目は覚めるものだ。

かつて存在したQOL事業が関係している可能性

このように製品の狙いがわかりづらいアラーモだが、それを紐解くのに重要なのが、任天堂が掲げていたQOL(クオリティオブライフ)事業に関する動きである。

任天堂は2014年の経営方針説明会において、QOLを楽しく向上させることを新しい娯楽にする予定だと発表していた。最初のテーマは「睡眠と疲労の見える化」であり、かつそれを簡単にできるようにすることを重視している。そのひとつとしてノン・ウェアラブル、つまり何も身に着けずに計測できることをポイントとしていたわけだ。

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