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数字に強い人なら一瞬!「約数の理解」を計る問題 ほとんどの数に「約数が偶数個ある」のはなぜか

東洋経済オンライン / 2024年10月26日 11時0分

約数とは、先ほどもお話ししたとおり「ある整数に対して、その数を割り切ることのできる整数」のことです。この問題は、約数の個数を考えて、「1~100のなかで約数が偶数個あるものはいくつか?」という問題と答えが同じになるわけですね。

「小さい数」で実験してみる

では、いくつか試してみましょう。

2番目の箱はどうでしょう? これは、1と2が約数なので、2個ボールが入ることになりますね。同じように、10番目の箱は、1と2と5と10が約数なので、4個ボールが入ることになりますね。12番目の箱は、1と2と3と4と6と12が約数なので、6個ですね。

こう考えていくと、実はかなり、約数の数が偶数個のものが多いのではないか、ということがわかります。

なぜ、約数は偶数個の場合が多いのでしょうか? まず、約数を求めるときに重要なのは、「◯×■」の形に置き換えて、その個数を数えることです。

例えば「2・3・5・7・11・13」のような素数は、「1×2」「1×11」のように、「1×『その数』」となります。この場合、約数は「1とその数」になるわけです。11は「1と11」、13は「1と13」となりますよね。この場合は2個で、約数が偶数個あることになります。

(外部配信先では記事中の図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

6や8のような数は、6は「1×6」の他に「2×3」、8は「1×8」の他に「2×4」とあらわせます。このとき、6の約数は「1・2・3・6」、8の約数は「1・2・4・8」の各4個となり、これも偶数です。

12は「1×12」「2×6」「3×4」になりますから、「1・2・3・4・6・12」で6個となり、偶数個になるわけです。

「◯×■」の形で表せる個数が1つのパターン(1×「その数」)しかなければ約数は2個、2つのパターンなら4個、3つのパターンなら6個となっていきます。

そう考えると、100までの数の約数は、ほとんどが偶数個あるのです。

約数が奇数個なのは、どんな場合か

ではこの問題の答えを求めるために、逆のことを考えてみましょう。約数の個数が奇数になるのは、どんなときでしょうか?

これは、「◯×■」の形で表したときに、○と■が同じ数の場合ですね。例えば、4や9を考えてみてください。4は「1×4」の他に「2×2」、9は「1×9」の他に「3×3」となります。

このとき、普通であれば「◯×■」の形で2つのパターンで表せるので4個になるはずですが、4は約数が「1・2・4」、9は「1・3・9」で、両方とも3個となります。なぜこうなるかというと、「2×2」「3×3」のように、同じ数が被っているからですね。本来4個になるはずが、同じ数同士での掛け算だから、1個減ってしまうわけです。

つまりは4や9のように、「同じ数同士の掛け算」で表せる数が、奇数個の約数を持つことがわかります。例えば16なら、「1×16」「2×8」「4×4」で、本来なら6個の約数を持つはずですが、4が被っているので約数は5個で奇数となります。

こうやって考えていくと、100までの中に問題の条件と合うのは、次の10個が該当するとわかるはずです。

ということで、100個の中からこの10個を引いて、答えは90個となります。

いかがでしょうか? 100までの数の中で、偶数個の約数を持つものは90個もあるというのはちょっと面白いですよね。ぜひ、約数に対する理解を深めてみてください!

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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