日米の世論調査はいったいどこまで正しいのか 「10.27衆院選」「11.5大統領選」をリアルに読む
東洋経済オンライン / 2024年10月26日 8時30分
2016年や2020年選挙においては、「隠れトランプ票」の存在が確認された。結果が出てみたら、トランプ票は明らかに世論調査よりも数ポイント高かった。そのために2016年選挙はサプライズの結果になったし、2020年もいくつかの州で予想が覆りかけた。
この「隠れトランプ票」は、2018年や2022年の中間選挙では確認できない。つまりトランプ氏が出ない選挙では、だいたい世論調査通りの結果が出る。それでは2024年のアメリカ大統領選挙において「隠れトランプ票」は存在するか、と尋ねられたら、誠実な答えは「わからない」である。
昨年の共和党における大統領候補予備選挙を見ていた感じだと、もはや人々は「トランプ支持」であることを隠そうとしておらず、現状の世論調査は正しく民意を反映しているように見える。
とはいえ、こういった「隠れトランプ票」が激戦7州でそれぞれの1%でもあると仮定したら、思ったよりも大きなリードということになる。
現状のRCPデータが正しいのであれば、この「隠れトランプ票」を加えた共和党側がハリス氏に大差をつけて勝つ、という結末も否定できない。
それこそ民主党員が涙目になって、「2028年はどう戦えばいいのか?」と悲鳴を上げることだってありうる。何しろ3回連続で共和党の大統領候補になったトランプさんに対し、勝てたのはバイデンさんの1勝だけで、後はヒラリー(・クリントン)さんとハリスさんの2敗となるわけだから。
すでにマーケットは「トランプ勝利」を先取り?
そんなわけで、2週間後にどんな結果が出るかはまだ読めないが、データを普通に読めばトランプさんが勝つよね、ということになる。マーケットはすでに先取りを始めているようでもあり、このところの1ドル=150円台の円安はそれが一因となっている節がある。
ちなみに多くの読者はこちらもお忘れのことと思うが、4年前の大統領選挙は2020年11月3日の火曜日が投票日であったが、結果が出たのは11月7日の土曜日(日本時間では8日の日曜日未明)のことだった。
つまり結果が出るまで丸4日かかった。今年も焦点のペンシルベニア州で郵便投票の開票作業が遅れる公算が大なので、「その日のうちには結果が出ない」とみておくほうがいいと思う。市場関係者にとっては、ハラハラする日々となりそうである(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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