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31歳下のロシア人女性と結ばれた59歳男性の実話 奥手だったことがむしろ大きな加点になったワケ

東洋経済オンライン / 2024年10月27日 13時0分

彰さんのようなタイプの独身者は男女ともに少なくない。コミュニケーション能力が低いわけではないが、押すべきときに押すことができないのだ。会話は弾む分だけ相手に「何を考えているのかわからない」と不明瞭な印象を与えてしまうこともある。

一方のアンナさんはどんな独身時代を送ってきたのだろうか。発言を促すと、意外なほどの勢いで話し始めた。

「私は12歳の頃からアニメにハマりました。その頃はやっていた『デスノート』がきっかけだったと思います。それから日本の漫画やゲームにもハマりました。一番好きなのは『週刊少年ジャンプ』の冒険ものです」

モスクワにある大学では日本語ではなく政治学を専攻したというアンナさん。哲学を含めた学問が好きで、アニメの登場人物などへの「推し活」も忙しくて恋愛する暇はなかったと笑う。アニメで修得した日本語の練習も兼ねて、日本人との国際交流サイトに登録した。2019年の秋のことである。

「無難な雑談力」が吉と出る

「恋人を積極的に探すつもりはなかったので、一番地味な写真を載せました。あ、でも、自分が本当は美人だというつもりはありません」

夢中で話しながらときどき顔を赤くするアンナさん。そのサイトでは、数カ月後に彰さんと知り合うまでは嫌なことが多かったと振り返る。

「相手への尊敬や優しさを感じられないような男性ばかりでした。私が外国人だからでしょうか。いきなり失礼なことを聞いて来たり。アカウントを削除しようと思っていたときに彰さんと出会うことができました」

婚活目的でサイトに登録した彰さんだが、アンナさんとのメッセージのやり取りでも持ち前の「無難な雑談力」を発揮。このたびは吉と出た。

「彰さんは最初から『アニメや漫画は好きですか?』と聞いてくれたんです。私はプロフィールにアニメのことなどは一言も触れていないのに! すぐに盛り上がりました」

彰さんはアニメや漫画にほとんど通じていない。ジャンプで言えば、『SLAM DUNK』すら読んだことがないレベルだ。それでも「広く浅い知識」があり、相手に合わせた会話は得意。「大の日本好き」で「本物のオタク」であるアンナさんがLINE電話で怒涛のように話す内容を受け止めることができた。

「私の話をよく聞いてくれて、自分の意見も言ってくれます。1時間や2時間はすぐに過ぎていきました。最初はいい友だちができたと思っていましたが、優しくて親切な彰さんに恋する気持ちが芽生えたのは否めません。東日本大震災のシェルターから引き取ったというワンちゃんの写真も優しそうな顔をしていました。血統書付きの犬などではなく、雑種です。彰さんは自分中心でも見栄っ張りでもなく、いたわる心を持っている人なのです」

日本に住むことに抵抗は感じなかった

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