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CX-8からCX-80「単なる新型」ではない進化の深さ マツダ独自の「3列シートSUV」が醸す世界観

東洋経済オンライン / 2024年10月27日 8時40分

同システムの開発者によれば、安全性を十分に踏まえたうえで、CX-60で得た市場からの声を反映したセッティングを行ったという。

レーンキープ・アシスト・システム(LAS)についても、同様だ。同一車線内での効きが少し強くなったことで、直線はもとよりコーナーが続くシーンでも安心感が増した。

国内専用からグローバルモデルへ

ここで、CX-80の商品性を整理しておこう。CX-80は、日本市場では「CX-8」の後継として登場したモデルだ。

実質的な先代となるCX-8は日本市場に特化して企画された「CX-5」の3列シートモデルで、他社が「アルファード/ヴェルファイア」などの上級ミニバンをラインナップする中で、マツダらしさを主張した独自の発想で作られた。

すると、50代が中心となるだろうという想定をよそに、ヤングファミリー層にも残価設定ローンで広まったという。今回のCX-80では、こうしたトレンドを拡充するとともに、ヨーロッパなど海外での販売も強化する。

海外ニーズに対応するため、牽引(トーイング)に対応するエンジン制御モードや、牽引部分であるヒッチなどについても改良や新規設定を施している。今回の試乗会では、淡路島内の観光スポットで小型モーターボートをトーイングするデモンストレーション(冒頭の写真)も実施していた。

国内市場でCX-80は、400万円台を中心とする「SKYACTIV-D 3.3」、600万円前後の48Vマイルドハイブリッド・ディーゼル「e-SKYACTIV D 3.3」、そして600万~700万円台の「PHEV」と、プレミアム性やスポーツ性の違いを含めた幅広いラインナップで展開する。

「PHEV L Package」についても、その印象をお伝えしたい。大容量バッテリーを搭載するプラグインハイブリッドであるため、車重は、先のXD-HYBRID Exclusive Modernより120kg重たい。

クルマのキャラクターや乗り味は、XD-HYBRIDと大きな差はないが、PHEVは120kg増加の多くを占めるバッテリーが車体下部にあることで、さらなる低重心を実感する。

ワインディング路を走ると、ステアリングを切り出した瞬間はマイルドだが、クルマ全体としての動きには張りがあって、コーナーでの先読みがしやすく大柄ボディがあまり気にならない。

これは、ロードスターなどでも導入されている、キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)によるものだろう。このボディサイズと重量だと、その効果を大きく感じる。

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