道長の"和歌ハラスメント"式部の「見事な返し」 酔っぱらった道長の要求で咄嗟に和歌を詠む
東洋経済オンライン / 2024年10月27日 7時40分
NHK大河ドラマ「光る君へ」がスタートして、平安時代にスポットライトがあたっている。世界最古の長編物語の一つである『源氏物語』の作者として知られる、紫式部。誰もがその名を知りながらも、どんな人生を送ったかは意外と知られていない。紫式部が『源氏物語』を書くきっかけをつくったのが、藤原道長である。紫式部と藤原道長、そして二人を取り巻く人間関係はどのようなものだったのか。平安時代を生きる人々の暮らしや価値観なども合わせて、この連載で解説を行っていきたい。連載第42回は式部と道長の関係が垣間見えるエピソードを紹介する。
「陰キャ」ぶりを自虐していた割には……
「埋もれ木を折り入れたる心ばせ」
紫式部は自身の性格をそんなふうに表現している。
「埋もれ木をさらに埋めたような引っ込み思案な性格」というのだから、対人関係にかなり難があったのだろう。少なくとも、本人はそう思っていたようだ。事実、一条天皇の中宮である彰子のもとに仕えたときも、内裏での生活になじめず、すぐに実家に帰ってしまった。
それでも実家にしばしひきこもると、女房の仕事に復帰。彰子のもとで月日を重ねるうちに、段々と宮仕えにも慣れてきたようだ。とても「陰キャ」とは思えない行動もとるようになった。
寛弘5(1008)年8月26日、まもなく彰子に子が産まれそうなときのことだ。
彰子がさまざまな香を混ぜて練り香を作って、女房たちに配っていた。式部も彰子のもとに受け取りにいき、部屋に戻ろうとすると、「宰相の君」の部屋の前を通りかかった。宰相の君とは、藤原道綱の娘・豊子のことで、式部と同じように女房として彰子に仕えていた。
昼寝中の女房とキャッキャと戯れる
式部が部屋をのぞいたところ、豊子は昼寝をしていたという。その姿を、式部はずいぶんと観察していたようだ。『紫式部日記』に、次のように記している。
「萩や紫苑など、色とりどりの衣を中に着て、濃い紅でつやつやの小袿を上に羽織り、顔は衣の中にすっかり隠し、硯の箱を枕としておやすみになっておられ、少しだけ見えている額のあたりが、実に可愛らしくて、艶めいて見える」
(萩、紫苑、いろいろの衣に、濃きがうち目、心異なるを上に着て、顔は引き入れて、硯の箱に枕して、臥し給へる額つき、いとらうたげに艶かし)
目を奪われているうちに「絵に描かれるような、素敵なお姫様のような雰囲気だわ!(絵に描きたるものの姫君の心地すれば)」とテンションが上がったようだ。寝ている豊子に、式部は声をかけた。
この記事に関連するニュース
-
「三条天皇に退位迫る」道長の溢れ出す大きな欲望 人事を巡ってもデッドヒートを繰り広げる
東洋経済オンライン / 2024年11月17日 11時0分
-
陰湿すぎて大河ドラマでは描けない…紫式部が年増の女房に匿名で贈りつけたすずり箱のコワすぎる中身
プレジデントオンライン / 2024年11月17日 8時15分
-
「道長vs三条天皇」徐々に生じた"2人の大きな溝" 「一帝二后」を自ら主導した三条天皇の策略
東洋経済オンライン / 2024年11月3日 7時50分
-
大河ドラマではスルーされた道長をめぐる三角関係の可能性…紫式部が「和泉式部はけしからん」と書いたワケ
プレジデントオンライン / 2024年11月2日 9時15分
-
「光る君へ」まひろ(吉高由里子)の“悪口日記”が話題に「有名エピソードがついに登場」「そうきたか」の声
モデルプレス / 2024年10月28日 13時16分
ランキング
-
1とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
2「合コンも仕事のつもりだった」20代で“年収1,000万”稼ぐ彼氏の苦しすぎる浮気の言い訳に唖然
日刊SPA! / 2024年11月21日 15時51分
-
3【GU】1290円の「冷たい風も防ぐ手袋」は、自転車に乗っていても手があったか! 水や汚れをはじく&スマホ操作もできる高機能グローブ
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月22日 8時35分
-
4ファミマの「発熱・保温インナー」はヒートテックより優秀? コンビニマニアが比較してみた
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月21日 19時55分
-
5ブラック工場勤務なのに総資産1億円! 大台を達成した30代に教えてもらった7つの“節約テク”
週刊女性PRIME / 2024年11月22日 9時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください