数学勉強したくなる!「グラフ」の"間違い探し" 子どもに勉強する意義を伝えるにはどうするか
東洋経済オンライン / 2024年10月27日 10時0分
答えを言うと、これはグラフの左側があえて消されています。グラフの軸を見てみると、一番左の数字が「80%」となっており、もっと左側にあるはずの0%〜80%分の「そう思わない」の部分が省略されています。80%以上の部分だけをクローズアップして、大きくしているわけです。
では試しに、軸の一番左を「0%」にしたグラフも見てみましょう。このようになります。
先ほどと同じデータの、左側を表示した全体のグラフです。どうでしょうか?このグラフだと、0%からスタートしています。
こうすると、C国の「そう思う」と考える人の数がかなり少数派であることがわかりますよね。さっきはあんなに大きく見えたのに、このグラフだと少数派になってしまいます。
このように、軸のスケールや、グラフの一部分を切り取ることによって、印象が大きく変わってしまうわけです。小学校で習う棒グラフですが、グラフ全体の大きさが重要になることを理解していないと、簡単に騙されてしまいます。
もう1つ、「この問いに対して、『そう思う』と答えた人の割合が、C国はA国やB国の3〜4倍である」とは言い切れない側面があります。
それは、パーセンテージの掛け算をしているという点です。「%」というのは、「分数で表した数×100」のことを表しています。95%がNOだったというのは、「100人いたら95人がNOと答える」ということを表しているわけです。
今回の調査は、母数がわかっていません。仮に200人に調査したなら190人が、1000人に調査したなら950人がNOと言っているから、95%と表現されていることでしょう。
でもこの場合は、何人に調査したデータなのかはわかりません。「A国には賛成の人が3000人いて、B国には賛成の人が2000人いて、C国には賛成の人が8000人なので、C国には賛成の人がA・B国の3~4倍いると言える」ということであればわかりますが、ここでは具体的な人数は示されていません。
どの属性に聞いたかでも調査内容は変わる
また、今回は「A国の人」「B国の人」「C国の人」に調査しているということが明らかになっていますが、A国の人の中にもいろんな人がいるでしょう。若い人もいれば、高齢者もいるでしょう。もしかしたら、「A国には若者に話を聞いたけれど、C国には高齢者に話を聞いている」という可能性もあります。
いかがでしょうか?今回のグラフのように、頭を使って考えていないと、よく考えずに「こうなんじゃないか」と考えてしまいがちです。
しっかりと算数・数学の勉強をして、騙されないように意識してみてください。
西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当
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