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「70歳でも元気」に必要な、たった1つの筋トレ 筋肉は1つ年をとるごとに、1%ずつ減っていく

東洋経済オンライン / 2024年10月29日 7時50分

1回たったの30秒で体力がつく「筋トレ」の方法を紹介します(写真:プラナ/PIXTA)

昔は登山が趣味だったのに、今では駅の階段を上るのもきつい。エスカレーターと階段があるなら、迷わずエスカレーターを使う――。そんな自分に気づくと、つくづく体力がなくなったと感じるものですが、整形外科専門医でフィットネストレーナーでもある吉原潔氏によれば、「体力がなくなったと感じるのは、年齢とともに筋肉量が減るから。そして、筋肉は、何歳になっても増やせる」そうです。

そんな吉原氏が、誰でも気軽にできて、十分に効果が出る筋トレの方法として推奨する、「もも上げ」の効果について解説します。

※本稿は、吉原氏の著書『30秒で体力がつく スゴイもも上げ』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

寝たきりになると1週間で15%の筋肉が減る

「若い頃に1か月間入院したんですけど、退院してズボンをはいたらブカブカでした。寝ているだけで、やせるのですね」

【イラスト】1回たったの30秒で体力がつく「スゴイもも上げ」

そう言うのは、今は40代後半の女性。残念ながら……寝ているだけでやせたには違いありませんが、筋肉も減ってしまい、やせ衰えてしまったのです。

× 寝ているだけで、きれいにやせた

〇 寝ているだけだから、筋肉が短期間で一気に減り、やせ衰えた

実際は、こういうことです。

寝たきりになると、真っ先に減るのは、手足の筋肉(脂肪も減ります)。絶対安静(寝たきり)の状態になると、1週間で10~15%、3~5週間でなんと50%もの筋肉が失われてしまうのです。

例えば、10kgの荷物を軽々と持ち上げることができる筋力を持っていた人が病気になって3週間程度、ほぼベッドの上で生活したとします。すると、回復後には5kgの荷物を持ち上げるのがやっと、という状態になってしまうということです。なぜ、こんなに急速に筋肉が落ちてしまうと思いますか?

犯人は「脳」です。脳はとても出来のいい臓器で、それぞれの臓器に優先順位をつけ、生きるために絶対に必要な臓器はなんとしてでも守ろうとします。実は、筋肉は優先順位が低いのです。筋肉は人体で最大の熱産生臓器で、筋肉を維持するには、常にエネルギーを必要とします(医学的には、筋肉は臓器として位置づけられています)。

病気などで、栄養からエネルギーがとれないときは、まず脂肪がエネルギーとして使われます。それと同時に、体のエネルギー消費は「省エネモード」に切り替えられます。

筋肉は、たくさんのエネルギーが必要な"燃費の悪い"臓器ですから、筋肉もエネルギー源として使ってしまい、脳がわざと筋肉量を減らすのです。

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