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首位から5位へ凋落した「ワーゲン」反撃への狼煙 EVシフトの旗手…ではなかったしたたかな姿

東洋経済オンライン / 2024年10月29日 11時30分

しかし、高速走行時の安定感と安心感は、さすがのものがある。硬質なインテリアデザインもドイツ車らしい雰囲気だ。

全長4.2m未満というサイズ感は日本国内でも扱いやすく、価格も329万9000~389万5000円と手ごろ感あがる。

扱いやすいコンパクトSUVでありながら、ドイツ車らしさが十分にあり、価格も輸入車としては手が出しやすい。フォルクスワーゲンの“クルマづくりの底力”を感じさせる内容であったのだ。

失敗を繰り返さずに

そうしたエンジン車の魅力をうまくアピールできなかったのは、日本だけではなく世界を覆った強烈な電動化の風が理由のひとつであろう。また、電動化の旗手というイメージでありながら、実際の売り物となる電動車を用意できなかったのも、フォルクスワーゲンの失敗と言える。

では、これからのフォルクスワーゲンはどうなっていくのか。フォルクスワーゲン グループ ジャパンの担当者にこれからの戦略を聞くと、次のような答えが返ってきた。

「電動車とエンジン車を2本柱としていきます。販売ネットワークでは、急速充電インフラを整えてゆく予定です。来年は、ID.BUZZやID.2を導入するので、電動車の比率はもっと高くなることでしょう。一方で、エンジン車も新しいティグアン、パサート、そして改良したゴルフを導入します」

電動車として、EVのミニバンである「ID.BUZZ」とコンパクトハッチバックの「ID.2」が導入され、エンジン車ではフルモデルチェンジされたミドルサイズSUVの「ティグアン」とステーションワゴン専用車となった「パサート」、そして改良されたいわゆる「ゴルフ8.5」が、これから日本市場に登場するというわけだ。

これにより電動車もエンジン車も、どちらもフレッシュで充実したラインナップが揃うことになる。

ティグアンは、7年ぶりのフルモデルチェンジでゴルフ8.5と同様にマイルドハイブリッド(MHEV)の「eTSI」と、ディーゼルの「TDI」をラインナップ。

パサートは9年ぶりの刷新でeTSI、TDIにくわえて、プラグインハイブリッド(PHEV)の「eHybrid」も展開。そして、ゴルフ8.5は、新しいインフォテインメントシステムと内外装のブラッシュアップを売りにする。

2025年は“反撃の年”になるか

改良版T-Crossの印象の良さを鑑みれば、新しいティグアン、パサート、ゴルフ8.5の出来栄えは大いに期待できる。充実した新車攻勢により、電動車とエンジン車という2本柱戦略は、より効果を高めることであろう。

近年、パッとしなかったフォルクスワーゲンであるが、来年は相当に期待できるはず。2025年はフォルクスワーゲンの“反撃の年”となるであろう。

【写真】新しくなった「T-Cross」も内外装の質感が大幅アップ(40枚以上)

鈴木 ケンイチ:モータージャーナリスト 

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