「褒める・叱る」子どもの未来を育むバランスの妙 子どもにとって最もよくないこと・辛いことは
東洋経済オンライン / 2024年10月30日 7時50分
長年、受験指導にあたり、数多くの親子を見守ってきた精神科医の和田秀樹氏は、子どもを育てる上で大事なことは子どもの自信を育むことだと言います。そのため「とにかく5歳までは褒めて褒めて、褒めまくること」だとする一方、愛情を持って子どもを叱ることの大切さについても説いています。和田氏の著書『5歳の壁: 語彙力で手に入れる、一生ものの思考力』から一部を抜粋し、子どもとの接し方について考えます。
子どもの「快体験」をつくる好循環
子どもというのは、良い循環に乗るとどんどん成長していきます。
良い循環というのは、このような繰り返しです。
わかる・できる
↓
自信を持つ
↓
子どもが自ら挑戦するようになる
↓
多少できなくても、もう一度挑戦してみる
↓
さらにできるようになる
子どもは何かを教えれば基本的にはできるようになりますが、わからない、できないとしたら、取り組んでいるもののどこかに理解できない部分があるということです。
したがって、もしうまくできない場合は、子どもがわからない部分を入念に見つけて、それを一つずつ解消していけばいいということです。
そして、子どもが理解できたら、「よくわかったね」「できるようになったね」と声をかけて、子どもに自信をつけてあげましょう。子どもは楽しい気分になり、もっとできるようになりたいと感じます。
これが学ぶことによる「快体験」というものです。
人間はこうした快体験がないと、物事を続けていくことができません。その反対に、悪い循環とは、このような繰り返しです。
できない・わからない
↓
自信を失い、悲しくなる
↓
挑戦しなくなる
↓
さらにできなくなる
↓
「どうせ何をやっても無駄」と思うようになる
できない時は、取り組んでいるもののどこかに理解できない部分があるのですが、悪い循環を繰り返す親は、子どもが理解できない部分を見つけようとすることも、それを解消しようとすることもしていません。
ただやみくもに「あなたはなぜこんなこともわからないの!」と子どもを責めるだけです。
こうなると、子どもは自分の力を信じることができなくなり、悲しい思いをします。
その結果、自分から勉強しようという意欲がなくなるので、なおさら勉強が苦手になってしまい、いわゆる「落ちこぼれ」というのは典型的にこうしたパターンから生まれます。
子どものSOSを見逃さずに寄り添う
ですから、子どもが親の思う通りにならなかったとしても、親の理想に合わせようとしたり叱ったりするのは、できる限り我慢した方がいいでしょう。
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