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「部下が怖いんです…」部下に辞められた上司の闇 「離職の連鎖」起きる前に離職の心理を理解する

東洋経済オンライン / 2024年10月30日 9時0分

また、部下の離職を繰り返し経験した人がとるようになるもう1つの態度が、「部下を避ける」というものです。

ある30代の女性の方はこんな話をされました。

「新人には優しく指導してきたつもりです。でもあるとき、突然辞めて本当にショックでした。それで今度は『優しくするだけじゃなく、仲良くなることが必要では』と思って、冗談を言い合うほど仲良くなって、部下から誘われて買い物とかお茶とかも一緒に行ったりしました。でもその部下もすぐに辞めたんです。もう部下とどう接したらいいのかわからなくなって、部下と関わるのが怖いので、なるべく関わらないようにしてます」

このように部下とどう接したらいいかわからず部下を避けるようになると、部下は疎外感を覚えたり、十分な指導が受けられなくなり、離職する可能性が高まります。

そして、上記のように負の連鎖に陥ります。

こういった負の連鎖に陥らないように、部下の離職を繰り返し経験しても、部下の指導が疎かにならないように心がけることが重要です。

と、こうやって書くのは簡単ですが、これはいざやるとなると大変なことです。

上記のような経験をされた方は、それがいかに大変なことかはおわかりになるでしょう。

今、多くの会社がこういう状況に苦しみ、現場の上司は悪戦苦闘を強いられています。

しかし、結局最後に勝つのは、それでも諦めずに部下と関わり、部下を定着させ、育てることができた会社です。

なぜ部下は離職するのか

では、そもそもなぜ部下は離職するのでしょうか。

「離職する」という行動の背景には「辞めたい」という心の動きがあります。そして、その心の動きに影響するのが欲求です。

 会社で働くのもその欲求を満たすためであり、この会社で働いても自分の欲求は満たされないと思うと「辞めたい」と心が動き、「離職する」という行動に出ます。

そのため、離職を防ぐには社員が抱く欲求を満たし、「辞めたい」という心の動きを生じさせないことが必要になります。

では、社員はどのような欲求を持っているのでしょうか。

欲求の分類でいえば、マズローの「欲求段階説」が有名ですが、アメリカの心理学者クレイトン・アルダファーは、欲求段階説を発展させた「ERG理論」を提唱しました。

ERG理論では、人間は「生存欲求」「関係欲求」「成長欲求」という3つの根源的な欲求を抱くとしています。

生存欲求とは、安心・安全に生きていきたいという欲求です。

関係欲求とは、良好な人間関係を築き、人から認められたいという欲求です。

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