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自民党の惨敗を招いた「2000万円問題」の"厚顔" 赤旗「非公認に2000万円」報道で情勢が一変

東洋経済オンライン / 2024年10月30日 17時30分

(写真:© 2024 Bloomberg Finance LP)

第50回衆院選は自民、公明両党が過半数(233議席)を割り込むという劇的な結果となった。与党・自公の過半数割れは2012年の政権復帰後初めてで、政権維持には一部野党の協力が必要となるため、連立枠組みの拡大も含め、与野党の駆け引きが激化している。

与党過半数割れによる政局混乱を招いたのは、巨額裏金事件による「政治と金」問題に対する有権者の自民不信が最大の原因だ。なかでも、同事件に絡んで非公認となった前議員の所属支部への「2000万円支給」が、選挙戦中盤で発覚したことが、「自民への決定的なダメージ」(選挙アナリスト)となったことは間違いない。

ただ、自民党内には「本来ならバレるはずのない支部への資金支出が、よりによって共産党機関紙・赤旗にすっぱ抜かれたのは、内部密告しか考えられない」(自民幹部)との疑心暗鬼も広がる。このため、水面下では党内の旧安倍派を中心とする反石破グループに対する“犯人捜し”もひそかに行われるなど、自民内での暗闘による分断の動きも拡大しつつある。

そもそも選挙戦の「推移」を検証すると、赤旗が「2000万円」問題を報じた直後から、それまで前回比大幅減だった期日前投票が激増し、「各メディアの出口調査結果などで、その大多数が無党派層だったことが、自民惨敗につながった」(選挙アナリスト)との指摘が少なくない。

それだけに、「裏金事件とその対応を巡る自民内の暗闘が、与党にとっての最悪の事態につながったことは否定できない」(自民長老)との見方が広がる。

与党、無所属追加公認でも過半数届かず

今回衆院選で、自民は公示前の247議席から191議席と56議席の大幅減、公明も同32議席から24議席と8議席減と両党で64議席を失い、与党過半数割れとなった。派閥の裏金問題に関与して非公認になるなどした与党系無所属の当選は6人で、全員を追加公認しても自公で過半数には12議席届かないことになる。

これに対し野党側は、立憲民主党が公示前から50議席増の148議席を獲得。国民民主党は4倍増の28議席、れいわ新選組も3倍増の9議席とそれぞれ大躍進した。その一方で、日本維新の会は6議席減の38議席、共産党も2議席減の8議席と不振が目立った。さらに、参政党が2増の3議席、初挑戦の日本保守党が3議席を獲得、どちらも比例票が2%を超え、政党要件を満たした。社民党は前回同様の1議席だったが、比例得票数から政党要件の維持は困難視されている。

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