ホンダSUV「WR-V」は、なぜタイで開発されたのか 250万円以下、ガソリンエンジンのみという潔さ
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 8時20分
日本でも手頃なSUVがほしいというニースは健在だし、HVがほしければヴェゼルやZR-Vという選択肢がある。タイであれば、EVのe:N1、HVの「HR-V」も選べるし、水害などのニュースでガソリン車に注目も集まっている。さらにインドでの販売も踏まえれば、ガソリン車のみは自然な流れだったことがわかる。
次に気になったのが、ワイルドな見た目に反して、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)のみという駆動方式だ。道路環境の悪いインドであれば悪路走破性の高い4WDを求める声もありそうだし、日本でもアウトドアユーザーから一定数の需要はあるだろう。
これについて平村さんは、「インドやタイで悪路走破性を求める場合、ピックアップトラックを選ぶユーザーが多いので、あえてWR-VはFFのみとしました。ただ、最低地上高は、悪路や冠水した道路、また速度制限のために設けられた道路の凸凹を乗り越えられるように195mmと高めに設定しています」という。
平村さんの話から、ユーザーの嗜好にあわせて徹底したシンプル化と、無駄を削ぎ落としながら車両価格を抑えることにこだわってWR-Vが生まれたことがわかる。
開発チーム内の議論から方向性を見出す
商品企画の段階で「装備がシンプルなクルマって最近ないよね」「手頃なガソリン車が減っているよね」という会話が開発チーム内であり、「価値観や生活スタイルが違っても、一人ひとりに寄り添うクルマ、生活の自由度を高めるクルマをつくろう」と方向性が決まったと平村さんが教えてくれた。
開発チームには、若いタイ人のスタッフ、また女性スタッフも多いそうで、そういった開発者たちの声が反映され、実用性が高く、かつ若者でも手の届くWR-Vというクルマが生まれたといわけだ。
ちなみにプラットフォームには、完全な新規設計ではなく、フロントセクションにコンパクトハッチバック/セダンの「シティ」、リアセクションに3列シートSUVの「BR-V」を組み合わせる形で構築している。
どちらもタイで生産・販売されているモデルで、それらのプラットフォームを組み合わせることで開発期間短縮とコスト削減、さらに生産性の高いクルマづくりが実現したそうだ。これも「お客様に早く届ける」ために考え抜いた方法であり、タイに拠点を置くホンダR&Dアジアパシフィックだからなし得た開発と言えそうだ。
シティとBR-Vの良いところを併せ持つ
この記事に関連するニュース
-
ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV
CORISM / 2024年11月17日 10時10分
-
「フロンクス」対「WR-V」インド生産SUV徹底比較 手頃な価格設定と扱いやすいサイズ感が魅力的
東洋経済オンライン / 2024年11月9日 9時20分
-
ホンダ爆売れ「コンパクトSUV」がスゴイ! 全長4.3mなのに「めちゃ広ッ後席」がイイ! 260万円台から買える「ヴェゼル」ってどんなクルマ?
くるまのニュース / 2024年11月7日 21時10分
-
ホンダ「“ド迫力”コンパクトSUV!?」初公開! ローダウン×「真っ白」エアロが超カッコイイ! クールの「“シャコタン”WR-V」発表
くるまのニュース / 2024年11月4日 11時10分
-
ホンダが新型「小型SUV」実車公開!“グリル無し”の斬新ツルツルフェイスがスゴい! まるで「ヴェゼル」な「イーエヌワン」インドネシアで披露
くるまのニュース / 2024年10月29日 19時10分
ランキング
-
1【冬の乾燥対策に】ドラッグストアで手軽に買える! ハンドクリーム5選
マイナビニュース / 2024年11月21日 17時0分
-
2書店に行くとなぜか急にトイレに行きたくなる「青木まりこ現象」とは?
マイナビニュース / 2024年11月21日 16時2分
-
3【風呂キャンセル界隈】医師「心身が疲れた時こそ入浴を」 - 安全で健康的な方法とは
マイナビニュース / 2024年11月21日 11時0分
-
4とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
5生産性を上げ、まわりと差がつく5つの栄養素 ライバルを出し抜くために必要なのは「食事」
東洋経済オンライン / 2024年11月21日 10時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください