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忙しい時つい見失いがちなビジネスの鉄則とは 起業家として大成功したミュージシャンの教え

東洋経済オンライン / 2024年10月31日 10時30分

(34ページより)

堂々と対象を絞り込む

シヴァーズの本は、ビジネスの対象を絞り込むことについても、示唆に富む教えを授けてくれる。

「すべての人を喜ばせるのは不可能」――これは、誰もが知っていることだろう。

それなのに、あらゆる人を、あらゆることで満足させようとしている企業は多くあり、なぜ自分たちが世の中から注目されないのかと不思議に思っている。

あなたが対象にすべき顧客層と、そうでない顧客層を、はっきりと分けよう。そして、そのことを堂々と公言しよう。そうすることで、本当に自分たちが相手にしたい人たちの心をつかめるようになる。

(47ページより)

このことに関連し、シヴァーズはCDベイビーの人気が高まり始めたころのエピソードを引き合いに出している。

大手のレコード会社から、売り出し中のホットなアーティストをCDベイビーで大きく取り上げてほしいと連絡があったというのだ。

「断る。ここではそういうことはやらないんだ」と返答すると、レコード会社の担当者は驚き、「『そういうことはやらない』とはどういうことだ? そっちはレコード店で、こっちはレコード会社だぞ!」と憤った。その怒りに対するシヴァーズの答えはこうだ。

「そっちはどこでだって売り出せるだろう? CDベイビーはインディーズのミュージシャンに特化したサイトだ。つまり、大手のレコード会社に権利を売り渡さないことを選んだミュージシャンたちだ。彼らに最大限の注目が集まるように、僕らのサイトではメジャーレーベルの活動は認めていない」

非常に痛快だが、その根底にあるのは次のような考え方である。

世界は広い。99%の人を相手にしないと宣言しても、十分にビジネスはできる。

「残りの99%は対象外にする」と宣言することで、本当にターゲットにしたい1%の人たちが向こうからやって来てくれる。その1%の人たちのことをどれだけ大切に思っているかを示したからだ。

(48ページより)

人は誰しも、それぞれの物差しで自分を評価しているものだ。

それは「お金をどれだけ稼いでいるか」というシンプルな物差しかもしれないし、「どれほど多くの人の人生によい影響を与えることができたか」ということかもしれない。

自分にとって一番大切なものは?

価値観が異なるわけだが、シヴァーズの場合はそれが、「人の役に立つものをどれだけつくっているか」だったわけだ。

曲であれ、会社であれ、ブログ記事であれ、ウェブサイトであれ、僕は何かをつくることで、誰かの役に立ちたい。人の役に立たないものをつくっても、僕にとっては何の価値もない。

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