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「"自死遺族"の苦しみ」24歳アイドル、告白の真相 椿野ゆうこさん物語(後編)

東洋経済オンライン / 2024年10月31日 8時1分

普通にライブアイドルとして日々のライブをこなすだけでも大変なのに、さらに勉強を続けるのがいかにすごいことであるのか、なかなか形容しがたいが、とにかくコツコツと過去問を解き続けた。

最初に受けた試験は大学1年生の夏。

その後、授業が忙しくなり、少し間を空け再び受験を再開させる。そもそも気象予報士試験とはいかなるものか簡単に解説しておく。

気象予報士試験は1年に2回試験が行われ、学科試験が予報業務に関する一般知識と専門知識の2つ、実技試験が2回行われる。

それぞれ一部合格もあり、合格発表日から1年以内に行われる試験においては合格した科目の試験が免除となる。

椿野は最初の受験で一般知識に合格し、順に一部合格を重ねていった。そして2024年4回目の試験で実技試験にも合格し、すべてを合格。気象予報士となったわけである。

嬉しいお知らせ

【嬉しいお知らせ】
気象予報士試験に合格しました
5年間いっぱいお勉強して、いっぱい泣いて
やっと!!やっと合格できて本当に嬉しいです
いつかはアイドルとして大好きなお天気のお仕事にも関われたらいいなって思っています *絵文字省略

2024年3月8日、試験合格の報告をXのポストで行い喜びを爆発させた。

「SNSでも受験のことを毎回報告していて、落ちたときもファンのみんながずっと励まして応援してくれていて、それが本当に力になりましたね。もちろん両親にも報告しました。父にもようやく合格を伝えることができて嬉しかったですね」

誰よりも楽しみに応援してくれていた父との約束をようやく果たせた。そして何よりもアイドルと受験勉強の両立を有言実行した。

試験合格はもちろん、自死遺族としての悲しみをひとつ乗り越えられた、そんな気がした。

「気象予報士の椿野ゆうこです!」

「気象予報士の椿野ゆうこです! よろしくお願いします!」

2024年10月、椿野ゆうこはTOKYO MXの情報番組『おはリナ!』で本格的に気象キャスターとしてのキャリアもスタートさせた。

現役のライブアイドルとしての気象予報士の誕生である。いわゆる2足のわらじをはいたわけだ。

「まずはキャスターとして一人前になりたいですね。語彙を増やしたり、わかりやすい解説ができるようになりたいですね。それにアイドルで培ってきたことを気象キャスターとして活かせると思うんです」

アイドルとしてはステージで歌い、踊り、笑顔でファンの声援にこたえる。片や気象キャスターとしてはそのアイドルスマイルはもちろん、幼い頃より培ってきた天気に関する知識をもとに、しっかりと気象予報士として解説する。

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