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「我が子を他人と比較する親」の特徴と3つの対策 なぜウサギは負けたのか?なぜカメは勝った?

東洋経済オンライン / 2024年10月31日 7時20分

例えばものづくりが長所の子に、のびのびと、ものづくりをやらせていくと、やがて自分から学校の勉強をするようになるなどです。信じられないかもしれませんが、かなりの確率でこのようになっていきます。ただし途中で、親が他の子どもと比較して欠点、短所の指摘をしなければの話ですが。

(2)自分の子どもの1年前と今を比較する

比較しないことはどうしても難しいのであれば、比較することを逆に利用するのがこの方法です。しかし、比較と言っても、他者との比較ではなく、その子の時系列での比較です。

例えば、1年前の我が子と今の我が子を比較してみてください。身長や体重など身体的部分が成長したことは1年前の写真を見ればわかりますが、内面的部分を見ていきます。4年生の我が子であれば、昨年は3年生です。3年生のときの学力と今の4年生の学力では、今のほうが間違いなく高いはずです。今の4年生の中での他者と比較ではなく、過去のその子と比較するのです。すると成長していることが実感できるはずです。

(3)ほかと比較して自分の子どものよい部分を見つける

それでも、まだ他者と比較をしてしまうというのであれば、子どもの欠点、短所など凹んでいる部分をほかの子どもと比較するのではなく、我が子の得意なこと、長所など凸の部分を他者と比較してください。すると安心感が生まれてくると思います。これが最終手段です。

親が実践できれば、子どもは変わっていく

この話をすると、「うちの子には取り立ててほかの子よりも優れているものはありません」という人がいます。本当にそうでしょうか?

それはまだ、我が子の欠点や短所を他者と比較をしてしまっているから、そうなるのではないでしょうか。人間には誰しも無数の性格的特徴と能力があります。もちろん、自分を超える人は世界中探せばいるかもしれませんが、すべての特徴と能力を超える子が身近にたくさんいるとは思えません。よくよく我が子を観察して、性格や能力にフォーカスすれば、いくつも凸部分は出てくるはずです。

例えば、優しい(主体性がないことの裏返し)、気が利く(集中力がないことの裏返し)、よく話をする(空気を読まないの裏返し)、黙々と本を読む(非活動的の裏返し)、活発(落ち着きがないの裏返し)、様子をよく観察できる(引っ込み思案の裏返し)など、一見、短所と思えるものも実は長所であることもあります。このように裏の視点からも見ていきましょう。

我が子をこのように見てあげることができるのは、親だけです。一歩外に出ると子どもは比較の嵐にさらされます。それを子どもたちは頑張って生き抜いています。それをまた、家でもネガティブな側面の比較をされてしまっては、子どもはいつ自分の心を上げていけばいいのかわからなくなります。

以上、比較をしてしまうことで悩んでいる方はぜひ、試されてみてください。今からでもすぐに実践できます。すると、子どもは間違いなく変わっていくと思います。

石田 勝紀:教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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