ニコン株を買い増すサングラス「レイバン」の正体 「時価総額16兆円の巨艦」が日本企業を相次ぎM&A
東洋経済オンライン / 2024年11月1日 7時0分
サングラス「レイバン」などを展開する世界最大の眼鏡メーカー、フランスのエシロール・ルックスオティカがニコンの株式を買い増している。10月7日に5%超の株式取得が判明したが、10月18日に関東財務局に提出した変更報告書によると、7.38%まで上がっている。
【写真で見る】エシロール・ルックスオティカが保有する有名なメガネブランド
保有目的は「長期純投資」としているが、さまざまな臆測が飛び交う中、さらなる株式取得への思惑を呼び、株価は10月以降、年初来高値圏で推移している。
世界中でM&Aする巨大企業
エシロール・ルックスオティカは、2018年にフランスの眼鏡レンズメーカー「エシロール」と、イタリアの眼鏡フレームメーカー「ルックスオティカ」が合併して誕生した。ユーロネクスト・パリに上場しており、2023年12月期の売上高はおよそ4兆円。時価総額は16兆円を超え、フランス高級ブランドの「クリスチャン・ディオール」に匹敵する。
サングラスの王者と呼ばれる「レイバン」に加え、スポーツなどで人気が高い「オークリー」など世界的な有名ブランドを多数展開するアイウェア業界のトップ企業だ。「プラダ」や「アルマーニ」など高級ブランドのライセンスも手がけている。
積極的なM&A(企業の買収・合併)で知られており、今年7月には人気アパレルブランド「シュプリーム(Supreme)」を約2300億円で買収することも発表した。近年ではメタとのパートナーシップ関係のもとで開発を進める「Ray-Ban Meta スマートグラス」でも注目を集めている。
日本での動きも活発だ。グループ傘下のルックスオティカ社が2018年に眼鏡の一大産地、福井県鯖江市を拠点とする「福井めがね工業」に67%出資して買収。製造拠点をリニューアルし、国内外に向けてフレームを提供している。
小売り側でも今年4月、関東中心に約70店舗を展開する眼鏡チェーン「和真」を買収。エシロール・ルックスオティカのフランチェスコ・ミレリ会長兼CEOは「日本市場には成長と拡大の大きな可能性があり、当社にとって戦略的に重要だ。メイド・イン・ジャパンの価値を世界に広めながら、日本のお客様に革新技術を提供していく」とコメントしている。
さらにその後もメガネ専門店大手のパリミキホールディングスの株式も買い増しており、今年6月に提出した変更報告書によると、傘下の福井めがね工業と合わせた出資比率は13.64%まで上がっている。
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