「突然死の義父」が隠した"孤独すぎるゴミ屋敷" あまりに突然の死…残された家族が見た驚きの光景
東洋経済オンライン / 2024年11月3日 12時0分
離婚した義父の元妻を含め、亡くなる直前まで義父とは交流があったという。
義理の息子にとっては義父というより、“年の離れたイケてる先輩”のような存在だった。義父との付き合いは3年になる。初めて会った日に和歌山県へ釣りに出掛け、すぐに仲良くなり、そのまま縁側のある旅館に泊まることになった。それから何度も一緒に釣りに行き、還暦祝いのパーティーも開いた。
しかし、生前、義父の家には誰も入ったことがなかったのだ。
「みんな(ゴミ屋敷になっていたことは)知らなかったです。まさかこんな状態とは思っていなかったのでびっくりです。たぶん1人では片付けるのが苦手な人だったと思うんですよ。でも、自分はもう離婚した身やからっていうのもあって、相談せえへんかったんやろと思います。でも、頼ってほしかったです」(義理の息子)
現場に入ったスタッフは6人。住んでいた家だけではなく、男性が近くに借りていたトランクルームも片付ける。すでに遺品はあらかた取り出しているので、どんどんゴミを袋に詰めていく。
「ここで、一人でご飯食べていたんやな」
ガスコンロが置いてあった机を見て義理の息子が感慨深そうにつぶやく。誰も入ったことのない部屋だが、片付けていくうちに生前見ることのなかった義父の姿が頭の中をよぎる。それは釣り竿やルアーといった義父の趣味のモノだけではなく、“ホコリ”からも見えてくる。
15年間のホコリが積もり積もった部屋だが、所々にそのホコリがきれいにない場所があるのだ。きっと、義父はこの場所を気に入ってよく使っていたのだろう。一度も見ることがなかった義父の私生活が今になって浮かんできた。
「これ一緒に買ったやつや。一緒に使ったやつや。置いとったんやな、こんなの」
トランクルームからは一緒に使ったキャンプ用品が出てきた。還暦祝いのパーティーで義理の息子が送った品も保管されている。通夜、葬式とバタバタした日が続き、悲しむ時間もなかったのだろう。
ゴミ屋敷になるのは仕方のないこと
「寂しいというか、なんでもうちょっと早く相談してくれへんかったんやろう。かなり近い位置でお世話になっていた方なので、最後まで面倒見たいという気持ちがあった」と、義理の息子が後悔を打ち明けた。
今回は亡くなった後のことだったが、もし義父が生きていれば同じ言葉を本人に投げかけたことだろう。
しかし、「ゴミ屋敷の住人は、大丈夫じゃなくても周りに心配かけたくないからつい“大丈夫”と言ってしまうんです」と、二見氏が話す。
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