「サブウェイのワタミ」へ大転換、脱居酒屋の衝撃 現在の稼ぎ頭は宅食事業、65歳渡邉会長の本気
東洋経済オンライン / 2024年11月3日 7時45分
「居酒屋のワタミから、サブウェイのワタミに変えたい。サブウェイしかないと確信した。どうしてもやりたいと思った」――。ワタミの渡邉美樹会長兼社長CEOは意気揚々と宣言した。
【図表】ワタミの外食は2013年度から4期連続で赤字、コロナ禍でも苦戦した
ワタミは10月25日、ファストフード世界大手のサブウェイの日本法人、日本サブウェイを買収すると発表した。買収金額は非公表としている。併せてサブウェイとマスターフランチャイズ契約を締結。契約期間は10年間で、この間独占的にサブウェイを展開することとなる。
マスターフランチャイズ契約は、国内での直営店の出店に加えて、フランチャイズ(FC)を募集する権利も与えるもの。ファストフードではマクドナルドやケンタッキーフライドチキンも実施している。今後10年で250店は確実に出店する契約になっており、半数をFCで出店する構えだ。
ワタミは来年の春頃までに東京都心に旗艦店を出店する予定だ。今後は商業施設内やロードサイド、大学構内など幅広い立地で出店を狙う。
マクドナルドに並ぶ3000店へ
サブウェイは9月末で国内178店舗を展開している。1991年にサントリーがマスターフランチャイズ契約を締結し、国内で事業を開始。一時は500店舗程度まで店舗を増やしたが、サブウェイ本社のフランチャイズ体制の見直しもあり契約は終了。その後店舗数は減少していた。
今回はサブウェイ側がワタミに持ちかけた提案だった。「1年ほど前にサブウェイが日本でのパートナーを探しているという話を聞いた。しばらく行っていなかったが、世界中のサブウェイを見ているうちに確信した。どうしてもやりたいと思うようになった」(渡邉会長)。
渡邉会長が指摘するように、世界に目を向けると、サブウェイは存在感のあるチェーンだ。店舗数は約3万7000店(9月末)とマクドナルドの約4万2000店やスターバックスの約4万店(それぞれ6月末)に迫る規模を誇る。
渡邉会長は現在65歳。今後20年程度で国内で3000店舗を目指すとしており、80代まで経営者としての挑戦が続くことになる。ワタミの国内店舗数は3月末で328店舗。3000店が実現すれば、宣言通り「サブウェイのワタミ」へと大きく変わりそうだ。
居酒屋のイメージが強いワタミだが、近年の業績を支えるのは、高齢者などに向けた調理済みの弁当や総菜を配達する宅食事業だ。
今2025年3月期の第1四半期決算では、宅食は売上高100億円、営業利益11.7億円だった一方で、国内外食は売上高81億円、営業利益3.8億円だった。
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