何でも「カスハラ扱い」する店が失う重要な情報 正当なクレームを取りこぼさないための方法
東洋経済オンライン / 2024年11月3日 11時0分
しかし、一般に「顧客」と考えられているなかには「非顧客」が隠れています。「非顧客」とは、「提供している商品やサービスを絶対に利用してほしくない相手」です。
例えば次のような利用者について、皆さんはどう感じますか?
・スタッフを捕まえて、業務に関係がない話を延々と聞かせる
・釣り銭を1円間違えるなどのささいなミスに対して、過度な謝罪を要求する
・スタッフにセクハラをする
このような来店客に「またぜひ利用してほしい」と思う人はいないでしょう。そのような相手はもはや顧客ではありません。また、「非顧客」であると定義することは、「その客が行っている行為はカスハラである」と認定することだともいえます。
以上のように、企業が「求めるお客様像」をもとに「顧客」と「非顧客」を定義していくことで、「何がカスハラにあたるのか」を見分けることができます。
ただし、利用者を定義づけする難しさも知っておかなければなりません。
転売ヤーは「非顧客」か?
ここ数年、限定商品を転売目的で大量購入する人たちの様子がニュースなどでよく取りあげられており、議論を巻き起こしています。
たしかに一見、迷惑行為に見えます。でもこの事例だけでは、「非顧客」とは言い切れません。
「せどり」という言葉を聞いたことはありませんか? 購入した金額より、付加価値をつけて高く売る商売のことで、古本屋や古物商はこれに当たります。つまり、転売目的での商品購入自体は、法律に違反しているわけではないのです。店の方針によっては「大量購入してくださる良いお客様」と捉える場合もあるでしょう。
このように、業界・業種・業態によって、「非顧客」の定義は異なるはずです。
また、「無理難題を押し付けてくるお客様」も、一概に「非顧客」と決めつけるのは危険です。なぜなら、文句を言う権利は誰にでもあるからです。
もちろん「できない」と断っても、繰り返し要求をしてくる場合や、脅迫的な言動やスタッフが身の危険を感じるような言葉を伴う場合は別ですが、対応者が一目で判断することは厳しいのです。
組織の数だけ「非顧客」あり
「非顧客」と判断するべきか否かは、組織があらゆるリスクを考えて決定します。
今までのクレーム対応は「お客様をファンに変える」という観点で行ってきました。この原則は、どんな時代が来ようと揺るぎません。しかし、「非顧客」であるにもかかわらず「お客様対応モード」で対応してしまえば、相手は増長し、無理な要求に拍車が掛かり、扱いに困るような厄介なクレーマーに変貌するでしょう。
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