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ドジャース球場から20分「ロス郊外」のヤバい治安 市議選で治安が最優先事項になっている街の今

東洋経済オンライン / 2024年11月3日 10時0分

だが、プロムナード商店街に近い、サンタモニカ・ピア(埠頭)付近の海岸沿いでは事情が大きく違う。多数のホームレスが路上でテント生活をしているからだ。

例えば、今年8月には、海岸で日光浴をしていた女性がホームレスの男性に襲われた。この容疑者には性犯罪の前科があった。また、6月には海岸沿いでホームレスの男性が3人の女性を別々に襲い、ひとりを海の中に引きずり込んで溺れさせようとした。

5月にはホームレスの男性が海辺をジョギング中の女性の髪の毛を掴み、公衆トイレの中に引きずり込もうとした。また、同月、ドイツ人観光客ふたりがプロムナード商店街の駐車場前でホームレス男性にナイフで刺される事件も起きた。

「ホームレスの96%はよそからきている」

現サンタモニカ市長のフィル・ブロック氏は、ロサンゼルスのテレビ局の取材に対し、ホームレスの爆発的な増加についてこう語っている。

「私たちは、すでに数年前から限界に達しており、ホームレスの人々を安全かつ人道的にシェルターに移動させるために、条令を最大限に行使している。でも、毎晩、メトロの電車に乗って、夜中までに数十人のホームレスたちが、この街に移動してくるんだ。サンタモニカのホームレスの96%は、よそからきているんだよ」

サンタモニカのホームレス人口は、今年6月時点での市の発表では774人で、昨年と比べると6%減少している。 だが、アレ氏のグループが深夜に街を歩いて独自に調査したところ、その数は2000人を超えていたという。

「夜間シェルターに空きがなくて入れない人たちが、深夜にサンタモニカの商店街や海岸、公園、駐車場を目指してやってくる。彼らに水のボトルを渡して話を聞くと、早朝にはまた移動して別の場所に行くと言っていた」とアレ氏。

人々が路上で生活することを禁ずる市の条令はあるのだが、ホームレスたちが日々移動し続ける限り、彼らをシェルターに収容し続けるのは難しく、シェルターの数も足りていない。サンタモニカ市が商業ビルを買い上げ、ホームレス用の住居にする計画を公表すると、近隣住民の反対運動が起き、それも立ち消えになった。

今、プロムナード商店街には「交番ボックス」に似た警察の相談窓口が設置され、商店街は民間の警備会社と契約して警備員を配置している。実際に筆者が歩いてみた時も、2人組の男性警備員がパトロールしていた。だが、彼らは警官ではなく、銃は携帯していない。

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