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居場所を失った「いじめっ子」を救った祖母の告白 「ワンダー 君は太陽」のアナザーストーリー

東洋経済オンライン / 2024年11月4日 12時30分

そんな彼が本作の脚本を手にしたのは2020年、コロナ禍のために街がロックダウンされ、外出もままならないときだった。

登場人物たちの境遇に感情移入しながら読んだというフォースター監督は、そこに描かれた人間のやさしさ、親切心、命をかけて隣人を助ける勇気、希望と慈愛といったテーマに心打たれ、晴れやかな気分になったといい、読み終わった後に感動のあまり涙があふれたという。

海外メディアのインタビューで「そんなふうに泣いてしまったのは『ネバーランド』に続いて2度目のことだった。この作品にも同じものを感じた」と語っていたフォースター監督だが、まさに今、この作品こそ伝えるべき物語だと確信したという。

ナチスによるユダヤ人迫害という恐怖が支配する絶望的な状況において、それでも困っている人に勇気を持って手を差し伸べることができるのだろうか。恐怖にかられて迫害に加担してしまうかもしれないし、見て見ぬふりをして恐怖をやり過ごしてしまうかもしれない。人間はどちらの道にも進みうる。

それでもフォースター監督が「この映画は人々を分断してはいけないこと、人間は誰もが愛される存在なのだということを指し示している」と訴える通り、この映画が絶望の中に生まれる希望について考えるきっかけになりそうだ。

壬生 智裕:映画ライター

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