「令和のコメ騒動」解消後も続いている食卓の異変 日本の食卓で麺類の登場率が増加している
東洋経済オンライン / 2024年11月4日 9時20分
今年の夏に起きた「令和のコメ騒動」。9月の記事「『コメが消えた夏』日本人が代わりに爆買いした物」で紹介したように、手に入って当たり前だと思っていたコメを店頭で買いにくくなっていた。
【画像でわかる】コメの販売金額が伸び悩んでいる。代わりに登場率が増えた食品
秋には新米の流通が本格化したが、コメの需給は安定してきているのだろうか。また、コメの価格が急上昇する中で、食卓に変化は起きているのだろうか。
足元の品薄状況を確認するため、全国約6000店舗の販売動向を追っている「インテージSRI+」から、スーパーマーケットにおけるコメの販売金額と商品数の前年比を見てみたい。
解消しつつあるコメの品薄
品薄状況の指標となる、販売された商品数の前年比推移をみると、8月5日週から前年割れが顕在化していた。南海トラフ地震の臨時情報が発表された際にコメの品薄情報も広がり、パニック買いが起こるなど入手しづらくなったためだ。
商品数の前年比は9月9日週に55.0%まで減少したのち、翌週の16日週から緩やかに増加し、10月7日週には69.9%まで回復した。新米の流通により、品薄が解消してきていることがわかる。
販売金額の前年比は8月5日週の179.9%をピークとして9月16日週には112.8%にまで減少した。10月7日週にかけて品薄は解消しつつあるなかでも、販売金額の前年比は、パニック買いが起きる前の7月下旬の水準までは戻っていない。コメの価格は新米が流通する頃には落ち着くとも言われていた。
ところが、総務省「東京都区部消費者物価指数」(中間速報値)によると、米類の前年同月比は2024年10月に162.3%まで伸長している。価格が大幅に上昇する中で販売金額が伸び悩んでおり、コメの買い控えが起きているのだろうか。
コメの買い控えの兆候
全国の男女約5万人の生活者から買い物データを継続的に聴取している「インテージSCI」から、購入率の推移を前年同期と比較した。ここで購入率とは、コメを買った人の割合だ。
2024年のコメの購入率は、パニック買いの起きた8月5日週に伸びが見られただけではなく、7月にかけても前年を上回る水準で推移していた。値上がりが先行していたパンや麺類などと比べて、コスパがよい食材として人気となっていたようだ。
ところが、コメの購入率は9月9日週から前年を下回っている。パニック買いの際に買いだめの動きもあったため、需要の前倒しにより一時的に購入率が落ち込んだこともあるのだろう。ただし、1カ月経っても前年割れが続いていることから、買いだめの影響だけではなく、価格の高止まりも買い控えにつながっているのかもしれない。
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