「令和のコメ騒動」解消後も続いている食卓の異変 日本の食卓で麺類の登場率が増加している
東洋経済オンライン / 2024年11月4日 9時20分
コメ不足やコメの価格上昇を背景に、食卓で使われる食材に変化があったのかをみてみたい。2人以上家族の主家事担当女性を対象とする食卓調査「インテージ・キッチンダイアリー」から、食事場面(朝食・昼食・夕食)ごとに食卓の変化を確認した。
主食となる食材で2024年9月の登場率上位10位を抜粋すると、朝食ではコメは2位だった。コメの登場率は品薄が影響したのか8月に落ち込みを見せていたものの、9月には回復してきている。
朝食の上位には、1位の食パンをはじめ、4位のロールパン・バターロール、5位のフランスパンなどパン系の食材が中心だ。コメ不足の前からコメの登場率は限られることもあり、コメの使用にそこまで大きな影響は見られなかったのだろう。
昼食の麺類の登場率が上昇
続いて昼食では、コメの登場率は9月に1位となっているものの2位以下とは僅差であり、8月には乾麺を下回っている。そうめんやそばなどの乾麺は夏場に登場率が増加するためだ。
一方、カップ麺・スナック麺、スパゲティ、インスタント麺などは夏場に登場率が減少しがちな食材である。ところが、カップ麺・スナック麺は9月、スパゲティは8月、インスタント麺は8・9月の両月に登場率が前年を上回っていた。
コメ不足やコメの価格上昇を受け、コメを使う回数自体にそれほど変化がない中でも、麺類を活用することでコメの消費を抑える動きがあったものと推察される。
最後に夕食についてみると、コメの登場率は1位で2位以下を圧倒しているが、8月、9月と前年よりもわずかに減少した。朝食・昼食と比べて登場率が高いため、見直しの対象となったのかもしれない。
2位の調理済み冷凍食品、3位の生・ゆで麺、4位のスパゲティなどで増加が見られており、ほかの食材の活用が進んでいることがうかがえる。
コメはまだまだコスパのよい食材
調理済み冷凍食品は、揚げ物などのおかずも含まれるが、チャーハンやパスタなどの主食が中心だ。内訳では、冷凍した白飯の割合が1割弱を占めていた。簡便さから人気となっているだけではなく、無駄のないように冷凍した食材を有効活用しているとみられる。
コメの不足や高騰を受け、麺類や冷凍食品などの活用が少しずつ進んできていることが見て取れた。値上がりしている状況でも、ほかの食材と比べればコメはまだまだコスパのよい食材と言える。ほかの食材の値上がりも続くなか、需給だけではなく価格の動向も今後の食卓の変化に影響を与えていきそうだ。
木地 利光:市場アナリスト
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