トヨタが出資、中国の自動運転ベンチャー上場へ 「ロボタクシー」の小馬智行が米SECに予備申請
東洋経済オンライン / 2024年11月5日 18時0分
自動運転技術の開発を手がける中国のスタートアップ企業、小馬智行(ポニー・エーアイ)は10月17日、アメリカのナスダックでのIPO(新規株式公開)に向けて、アメリカ証券取引委員会(SEC)に予備的な目論見書を提出した。ADS(アメリカ預託株式)の発行規模や売り出し価格については、まだ未定としている。
広東省広州市に本社を置く小馬智行は、中国のネット検索最大手「百度(バイドゥ)」の自動運転事業部門を離職した彭軍氏と楼天城氏が共同で2016年に設立。「ロボタクシー」と呼ばれる無人運転タクシーの開発では中国における草分けの1社だ。
上述の目論見書によれば、小馬智行は広州市のほか北京市、上海市、広東省深圳市で無人運転タクシーの営業許可証をすでに取得しており、現時点で250台のロボタクシーと190台の無人運転トラックを運用中だ。
専用EVを広汽トヨタが生産
同社は創業以来、複数ラウンドの資金調達を実施し、それらの総額は10億ドル(約1498億円)を超える。投資家リストにはアメリカのセコイア・キャピタルから分離独立した「紅杉中国(HSG)」、アメリカ系の「IDGキャピタル」、中国系の「五源資本(5Yキャピタル)」などの有力ベンチャー・キャピタルが名を連ねている。
注目すべきなのは、小馬智行が2020年4月、日本のトヨタ自動車から4億ドル(約599億円)の投資を引き出したことだ。そして3年後の2023年8月、小馬智行はトヨタ自動車、広汽トヨタ(訳注:中国の広州汽車集団とトヨタの合弁会社)と共同で合弁会社を設立し、ロボタクシー専用のEV(電気自動車)を広汽トヨタが生産する協業につなげた。
目論見書に記載された株主構成を見ると、小馬智行の現時点の筆頭株主は共同創業者の1人でCEO(最高経営責任者)を務める彭軍氏であり、発行済株式の18.9%を保有している。トヨタ自動車は同13.4%を保有する第2位株主だ。
ただし、議決権ベースでは彭氏が(普通株よりも議決権が多く付与された種類株の保有を通じて)全体の57.3%を握り、経営の実質的な支配権を確保している。
小馬智行の経営はまだ黒字化に至っていない。目論見書によれば、2023年の売上高が7189万9000ドル(約107億7200万円)だったのに対し、純損益はそれを大幅に上回る1億2500万ドル(約187億円)の赤字だった。
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