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気がついたら"大モテ"国民・玉木氏「素顔と評判」 「売れない地下アイドル」と揶揄された過去も

東洋経済オンライン / 2024年11月5日 13時15分

2024年4月の衆院補選で東京15区から候補擁立に失敗し、代わりに都民ファーストの会が独自候補を擁立した同区補選と目黒区長選で小池百合子東京都知事とともに応援したが、いずれも敗退した。そして名古屋市長選に出馬するために、大塚耕平氏が4月末で離党。ここで国民民主党の規模は最小となった。

議員同士はフラットで、SNS使いも巧み

しかし谷深ければ山高しで、10月の衆院選で大躍進を遂げ、8議席獲得の共産党や24議席獲得の公明党を抜いて第4政党に躍り出た。

その背景には全国を飛び回って「可処分所得を増やす」ことを訴えた玉木氏とともに、それを支える仲間の存在がある。たとえば「趣味は玉木雄一郎」を公言して憚らない榛葉賀津也幹事長とは、まるで少年漫画で描かれる「友情物語」を連想させるし、西岡秀子氏、舟山康江氏、伊藤孝恵氏や田村麻美氏といった女性議員ともフラットな関係で、下手な階層がない。

SNSの利用も巧みだ。どんな会見でも演説でも配信する日本維新の会ほどの公開性はないが、幹事長会見の同時接続数および再生回数は他の政党の追従を許さず、政党支持を支える重要なポイントとなっている。衆院選投開票日にはYouTubeの登録者数が10万人を突破し、二重の喜びとなった。

玉木氏自身のYouTube登録者は33万人を超えており、政策の発信ツールとする以外にも共産党の志位和夫前委員長とピアノ伴奏の腕比べなど、イメージ戦略としても用いている。

あっという間に政界の注目の的となった国民民主党には、各党から秋波が送られている。自民党は28人の国民民主党を取り込めば、衆議院で過半数を制することができるし、立憲民主党はそれをなんとか阻止したい。

中には「大臣のポストがほしいから、与党入りするのではないか」との声も聞こえるが、玉木氏をはじめ国民民主党は意に介さない。首班指名では1回目も2回目も「玉木雄一郎」と記すことになっており、変更はないようだ。

これは実質的に第2次石破茂内閣の誕生につながるが、参議院で自公が140議席を占め、多数を維持している現状では、衆議院でねじれを起こしても国会が混乱しかねない。そもそも国民民主党は衆院選で「自公の過半数を割る」ことを訴えたが、「野田政権を実現する」とは一言も言っていない。

いつ「勝負をかける」のか?

では勝負をかける国政選挙はいつになるのか。ある国民民主党関係者はこう話す。

「我々は選挙の都度、比例票を2割ずつ増やしていくつもりだった。実際に2021年の衆院選では259万票だった比例票が、2022年の参院選で316万票と2割ほど増えている。今回の衆院選では予想以上に伸びたが、目標が前倒しになっただけだ」

そして玉木氏は言う。「重要なことは国民の生活が豊かになることだ。仁徳天皇は民のかまどから煙が上がらないのを見て税金を3年間免除したが、現在の政治家もそういう思いを忘れてはいけない」。

特別国会が11月11日に開かれ、自公で過半数に至らないまま首班指名が行われる。キャスティングボートを握る国民民主党は安易にどちらに与することなく、ただ日本の将来だけを見据えているようだ。

安積 明子:ジャーナリスト

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