5度のがんを克服した男性「高額な治療は不要」 自由診療クリニックで味わった「苦い経験」
東洋経済オンライン / 2024年11月6日 16時0分
IT企業オーシャンブリッジ創業者の高山知朗さんはどのように5度のがん闘病を乗り越えたのかーー。がんを患った誰もが考えるであろう「免疫療法」「遺伝子治療」などの高額な自由診療について、高山さんの最新刊『5度のがんを生き延びる技術 がん闘病はメンタルが9割』より一部引用・再編集してお届けします。
治療を否定したくなる気持ちと闘う
がんには辛い治療のイメージがあるので、「怖い手術や辛い抗がん剤治療を受けなくてもどこかにがんを治す秘策があるはず」と、現実から逃げたくなる気持ちも痛いほど分かります。
【写真】抗がん剤の準備のため、首のあたりから10センチほど挿入されて固定された「CVカテーテル」
実際、「抗がん剤は効かない」「がんは放置するのがよい」などとがんの三大治療(手術、放射線治療、抗がん剤治療)を否定するような、患者にとって耳触りのよいキャッチーな極論をタイトルにした本もかつて話題になりました。著者が大学病院の医師だったりすると、内容も信頼できそうに思えます。がんという過酷な現実を前にして、そうした安易な道に逃げたくなってしまうかもしれません。
でも「抗がん剤が効かない」のが本当なら、世の中から抗がん剤はなくなっているはずですし、放置でいいならがん治療そのものがなくなっているはずです。
これは、「抗がん剤が効かないがんもある」「焦って手術しなくても、放置(正確には経過観察)していればよいがんもある」という事実から、世間の注目を集めるために一部を切り抜いて極端に単純化して表現しているものと考えられます。極論には注意が必要です。
ネットを検索すると、「副作用の少ないがん治療」「ほぼ全てのがんに対応」「ステージ4でも諦めない」などの甘い言葉が並んだクリニックのページがたくさん見つかります。
自由診療クリニックの高額ながん治療の問題点
そうしたクリニックは、「免疫療法」「遺伝子治療」などといった治療を、数十万円から数百万円もかかるような高額な自由診療として提供しています。驚くほど高額ですが、有名大学や有名病院出身の医師が提供している場合もあり、期待してしまいそうになります。
しかし、本当にそれらの治療でがんが治るのであれば、その効果を裏づける十分なエビデンスがあるはずです。そして臨床試験を経て保険適用となって、高額な自由診療ではなく、保険診療として、総合病院や大学病院を含めた多くの病院で提供されているはずです。そうなっていないのは、有効性と安全性が確認されていないからです。「お金持ちだけが受けることができる最先端の秘密の治療」だからではありません。
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