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東京で「お金のない若者」が排除され起きている事 ディズニーも高嶺の花、カフェすら混んで座れない

東洋経済オンライン / 2024年11月6日 8時35分

街が「お金を使わないと楽しめない」方向になるにつれて、こうした若い人々の居場所が失われ、公言はされないけれども実質的には排除が起きている。これを「静かな排除」と呼びたい。

「若者のディズニー離れ」言説から見る「若者の静かな排除」

「論理の飛躍では?」と言われることを恐れながらも、この点で最近話題のトピックについても触れてみたい。それが「若者のディズニー離れ」だ。

大手テーマパークとして知られる東京ディズニーリゾートのチケット料が値上がりを繰り返し、日によっては1万円を越す日も現れた。その結果として、他世代と比較してお金のない若者にとって行きにくい場所となり、「若者のディズニー離れ」が生じている……という言説だ。

実際、データを見ていくと、オリエンタルランドが公開しているファクトブックを見ると、「大人(40歳以上)」の層が大きく増加しているのに対し、「中人」(12歳から17歳)「小人」(4歳から11歳)」は減少している。

なお、もうひとつの層である「大人(18~39歳)」は、データ範囲がなかなか広いため、「若者」の定義が曖昧なこともあって、このデータだけで「若者のディズニー離れ」と決めつけるのは拙速かもしれない。

だが、全体としては、以前より来場者の年齢層が上昇の傾向にあるのは、間違いないだろう。

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、コロナ禍での大幅な来場客の減少を経て、“量”を入れて収益を取る方向から、それぞれのゲストの体験の“質”を深める方向に転換することを公式に発表している。来場者を限定し、それぞれのゲストの体験の“質”を深める方向に舵を切ったのだ。

裏返していえば、廉価で多くの客を入れる方向から、少数精鋭の客により多くの消費をしてもらうのだ。ディズニーランドも、多くの人に開かれた「夢の王国」から、ひとり数万円の出費が可能な人向けの「現実の王国」になっている。

もちろん、企業が利益を追求することを否定するわけではない。むしろどんどん儲けるべきだ。しかし、短期での利益回収をもとめるときに手っ取り早いのは、ある程度お金を持っている人をターゲットにしてたくさんの消費をさせること。必然的に消費額が少ない若年層向けの選択肢は少なくなっていく。

その意味でも、全国的に渋谷で見られるような「若者の静かな排除」はひっそりと進行しているかもしれないのだ。

(なお、2025年3月期の上半期の決算では、売上高が期初予想の2579億円に対し、実績が2387億円と、192億円ほど下振れ、入園者数も期初予想を下回った。オリエンタルランド側は理由に「リベンジ消費の落ち着きなどによる旅行需要の減少による減」「猛暑による減」などをあげているが、ネット上では「高くなって、庶民には行きづらくなったからでは?」という指摘も出ている状況だ)

「静かな排除」は治安向上に役立つが…

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