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「青かった街が赤に」激戦州"トランプ化"のリアル 盛り上がっていたハリス陣営は次第に意気消沈

東洋経済オンライン / 2024年11月7日 0時0分

投票所となっていたミル・クリーク小学校には、ひっきりなしに市民が入ってくるが、止まっていたバイクにトランプのステッカーがベタベタと張られており、トランプの立て看板がハリスの10倍ほどあった。

同校教頭のクリス・ショトル氏は、トランプ氏に投票したという。

「2人の悪者のうち、悪さが小さい方を選ぶという感じだね。トランプの発言は、正直というか、歯に衣着せぬものだ。ハリスは、バイデンの陰で、彼女が背負うものに対して準備ができていない。彼女は未知数なのに比べて、トランプがどんな人物なのか、少なくとも私たちは知っている」

レビットタウンから移動し5日夜には、私は首都ワシントンにある黒人女子の名門校、ハワード大学のキャンパスにいた。ハリス氏は同大を卒業。開票ウォッチ集会を開き、勝利すれば「勝利宣言」を行う予定だった。黒人で女性初の大統領が誕生となれば、同大ほどふさわしい場所はない。

会場には、ハリス氏の勝利宣言に用意された民主党の色、ブルー一色の巨大なステージが作られ、各所に星条旗がはためく。CNNの速報などを映し出す大スクリーンを見て、集まった学生らが一喜一憂した。

次第に静かになっていった会場

ブルーのステージに卒業生が立ち、初の女性大統領になる宣言を一目見ようと、学生らは誘い合ってキャンパスに集い、顔を紅潮させ、自撮りしていた。DJがかけるラップミュージックに合わせてグループでダンスをし、声を合わせて歌った。それが続いていた午後9時前まで、ハリス氏が勝利するのではないかと思わせる盛り上がりだった。

午後9時からCNNの速報が画面に映る。激戦州ペンシルベニア州、ミシガン州などでハリス氏のリードが伝えられ、キャーーっと歓声が上がる。逆にトランプ氏が優勢の報道には、中指を立ててブーイングがキャンパスに鳴り響いた。

午後10時、CNNは選挙人数でトランプ氏が172人、ハリス氏が82人と伝えるが、学生は「まだまだ!」と掛け声をかけて待つ。午後11時、ハリス氏が西部カリフォルニア州を獲得し、選挙人数はトランプ氏182人対145人に。

しかし、ハリス氏が少なくとも獲得すべきだとされていたペンシルベニア州、中西部ミシガン州とウィスコンシン州の結果でトランプ氏が優勢となり、会場は次第に静かになっていった。

AP通信による当確速報では、トランプ氏が獲得した選挙人が277人、ハリス氏が224人だった。MSNBCは6日午前5時ちかく、ハリス氏が同日何らかの発表をすると報じた。

津山 恵子:ジャーナリスト

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