MacBook Pro"実質値下げ"高まったお買い得感 Apple Intelligence対応で性能を底上げした
東洋経済オンライン / 2024年11月8日 1時0分
全モデルと価格は同じなわけだが、実は底上げされているのはメモリだけではない。
値上げができないからと、価格は同じまま牛乳が1Lから900mLに量が減らされているようなことを「ステルス値上げ」と言うが、それに倣えば今回のMacBook Pro M4は「ステルス値下げ」といってもいい。
最安モデルのチップセットのCPUは前モデルのM3では高性能コア4、高効率コア4の8コアだったが、M4では高性能コア4、高効率コア6の10コアになっている。メモリの搭載量は最低で8GBから16GBになったが、最大搭載量も24GBから32GBに上がっている。
パフォーマンスは向上しているのに、高効率コアが増やされたせいか、最大駆動時間は22時間から24時間になった。バッテリー駆動で24時間も動作するのだ。あきれるほど長い。1日8時間労働で使うなら、3日も電源につながなくてもいいのだ。今回そんなに長い時間駆動させる余裕はなかったが、バッテリーの減り具合からしてもこれは誇大表現ではない。2時間や3時間使ったぐらいでは「減らない」と感じるほどバッテリーの持ちはいい。
さらに、カメラは1080pから1200万画素の超広角カメラになった。この超広角カメラは、iPhoneの0.5倍と同じ画角を持っているけれど、FaceTimeなどではその一部をトリミングして使う仕組み。話者が動いても自動的に追従するようにフレーミングする「センターフレーム」機能を持つ。
つまり1200万画素を常時使っているわけではないが、それでも従来モデルより美しい画像を提供できる。アップル製品の、写真・動画の安定したクオリティはご存知の通りで、一般的なWindowsパソコンよりかなり画質は良い。アップル製品を使う人とビデオ会議をすれば、そのクオリティはわかるはずだ。
ポート数減るもディスプレイは2枚接続可能
筆者が一番注目したのは、コネクターの拡張性の向上だ。
M4 Pro/Max搭載機のようなThunderbolt 5の搭載はなかったものの、それでもThunderbolt 4ポートが2→3ポートに増加したメリットは大きい。右側にポートがあることも利点だ。
さらに、従来の無印M3はMacBook Airと同様、外部ディスプレイを1枚しか接続できなかったが、無印M4はM3 Proと同様に6K解像度までのディスプレイを最大2台接続できる。この拡張性の確保に魅力を感じる人が多いのではないだろうか?
「クラスダウン」を検討する余地もある
総じて「無印M4」は、さまざまな制限を解除され、従来のM3 Pro搭載MacBook Proに匹敵する拡張性や機能を与えられている。
接続性のために、コネクターの数や接続できるディスプレイの数の面で「M3 Pro」搭載機を買わなければいけなかった人でも、今回は「クラスダウン」して、「無印M4」でも業務に対応できる可能性がある。
もちろん、純粋なCPU/GPUの性能を必要とする人であれば、M4 Pro、M4 Max搭載機が必要だろうけれど、一定数「今回は無印M4でいい」という人はいると思う。
であれば、今回はある意味値下げだし、珍しく「クラスダウン」を推奨できるマシンであるともいえる。
価格差はそれなりにあるので、ぜひ「無印M4」も射程に入れて検討してみていただきたい。
村上 タクタ:編集者・ライター
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