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「給料75%減。でも辞めない」20代女性の驚き理由 部下が会社と上司に抱く「切実ニーズ」4タイプ

東洋経済オンライン / 2024年11月8日 8時40分

それが把握できれば、会社に何を求めているのかもわかる。その点について優先的にケアしていれば離職は防げる。

そのように話す方が多くいらっしゃいました。

部下の理解を深め、会社や上司に対して抱くニーズを把握し、それを満たす関わりをすることで満足度を高める。そうすることで「辞めたい」という心の動きを生じさせず、「離職」という行動を防ぐことができているのです。

ニーズの基となる人間が根源的に抱く欲求

では、部下はどのようなニーズを持っているのでしょうか。

ニーズの基となるのが欲求です。

欲求の分類でいえば、マズローの「欲求段階説」が有名ですが、米国の心理学者クレイトン・アルダファーは、その欲求段階説をさらに発展させた「ERG理論」を提唱しました。

ERG理論では、人間は「生存欲求」「関係欲求」「成長欲求」という3つの根源的な欲求を抱くとしています。

「生存欲求」とは、安心・安全に生きていきたいという欲求です。

「関係欲求」とは、良好な人間関係を築き、人から認められたいという欲求です。

「成長欲求」とは、苦手を克服し、創造的、生産的でありたいという欲求です。

私はこの3つに加えて、人に喜んでもらいたい、人や社会の役に立ちたいという「公欲」も、人間が根源的に抱える欲求として考えています。

部下もこの4つの欲求を抱いており、会社や上司に対して次のように欲求を満たしてほしいと望んでいます。

生存欲求→健全な労働環境のもとで十分な給料を払ってもらいたい
関係欲求→良好な人間関係の中で働きたい、自分のことを認めてもらいたい
成長欲求→成長の機会を提供してもらいたい
公欲→仕事を通じて人を喜ばせたい、社会の役に立っている実感を得たい

このうちのどれか1つでも満たされなければ、それが離職の要因となります。

そのため、この4つの欲求を満たせるように意識してマネジメントを行うことが、離職を防ぐための基本的な関わりとなります。

私が主宰する経営心理士講座では、この4つの欲求に基づくマネジメントをお伝えしていますが、離職率55%の会社で離職率が0%になった事例や、離職率40%超の会社で離職率が0%になった事例など、多くの受講生の会社で離職率が下がっています。

部下ごとにどの欲求が強いかを把握する

そして次に、各部下がどの欲求を強く抱いているのかを把握します。

どの欲求を強く抱いているのかは部下によって異なります。そのため、より強く抱いている欲求を優先的に満たす関わりを行うことで、より効果的な離職防止のマネジメントを行うことができます。

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